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「うどんレスラー」が世界最強になるまで

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香川県

■Special Talk 香川県知事 池田豊人 × パリオリンピック レスリング金メダリスト 日下 尚選手

◎オリンピックへの憧れが消えなかったからこそ金メダルを取ることができました!
◎金メダル獲得おめでとうございますこれからも県民に夢を与えてください

◎プロフィール
高松市出身。高松北高、日本体育大卒。2024年パリオリンピックのレスリンググレコローマンスタイル77キロ級で金メダルを獲得。オリンピックの試合前に勝負メシのうどんを食べ、準決勝後のインタビューで「うどんパワーで耐え抜きました」と発言したことが話題に。それ以降、「うどんレスラー」と呼ばれている。

香川県勢としては個人種目初のオリンピック金メダルを獲得した日下尚選手。オリンピックで優勝した時の心境や、これまでの歩みをお聞きしました。

◯「最高に楽しい6分間でした」とインタビューでは答えたものの…
知事:パリオリンピックでの金メダル獲得、おめでとうございます。あらためて当時の気持ちを教えてください。
日下:オリンピック期間中は、ずっと興奮状態でした。金メダルが決まった瞬間も興奮して、ふわふわした感じでした。喜びをかみしめるというよりは、興奮が冷めないまますべてが終わっていった感じですね。
知事:やはりオリンピックは他の大会と違うのでしょうか。
日下:違いますね。レスリングにおけるオリンピックは、勝てば人生が変わるような舞台です。僕だけじゃなく、周りの選手もそこに合わせて練習しているようなところがあります。
知事:優勝後のインタビューで「最高に楽しい6分間でした」と高橋尚子さんの名言を引用して答えていましたね。あれは、いいアイデアだったと思いますが、正直なところ本当に楽しかったですか?
日下:いや、実際はめっちゃきついです。もう、地獄です(笑)。格闘技のきつさは独特で、思い切り力を入れることの繰り返し。最後は力が入らなくなります。外国人選手はすごく力が強いので、対抗するにはスタミナが必要です。スタミナで相手を上回るためには、自分の方がきつい思いをしなければなりません。
知事:その強いライバルたちを退けて、世界最強の称号を得られました。その後、高松市での凱旋パレードでは、県民2万人が駆け付ける大変な盛り上がりとなりました。
日下:あのパレードは忘れられません。まさかあんなに多くの人が来てくれると思ってなくて。スカスカだったらどうしようかと思っていました(笑)。本当にいい経験をさせてもらいました。

◯勝ち始めて調子に乗った高校時代しかし、あの○○が転機に
知事:そもそも日下選手がオリンピックを目指したきっかけは何ですか。
日下:3歳の時からレスリングを始めましたが、全国のタイトルを取るのに15年かかりました。レスリングが楽しくない、やめたいなと思う時期もありました。それでも続けてこられたのは「オリンピックへの憧れ」が消えなかったからです。特に2016年のリオオリンピックを見て、本気で目指すようになり、いつの間にか目標にたどり着いた感じです。
知事:これまで厳しい練習を積んでこられたと思いますが、飛躍するタイミングはありましたか。
日下:高校2年で初めて全国のタイトルを取ったんです。でも、次の大会では1回戦で負けてしまった。当時は勝てるようになって、調子に乗っていたと思います。でも、負けたことで、「努力を続けないとだめだ」と気付かされました。なので、オリンピックが終わった今、気持ちは次へ向かっています。

◯あの3連覇レジェンドに聞いた大きな目標を成し遂げる秘訣
知事:次の目標はオリンピック連覇ですか?
日下:まずは今年の世界大会で勝つことです。この前、吉田沙保里さんと対談する機会があり、勝ち続けることができた理由を聞きました。本人もオリンピックに4回出場するなんて、当初は全く考えていなかったそうです。次の試合、次の試合と考えて、気付いたら3連覇を成し遂げていたそうです。身近な目標をクリアしていくことが大事なんだと思いました。
知事:日下選手は帰省のたびに地元の小中学校を訪問しています。香川の子どもたちや、スポーツで夢を持っている人に向けてアドバイスをお願いします。
日下:中学生まで全国大会で優勝したことの無かった自分が、金メダルを取れたのは、夢を諦めなかったからだと思います。努力は報われるものではなく、報われるまで頑張るもの。目標に挑み続ける限り不可能はないと信じて、諦めずに頑張ってほしいです。
知事:とてもありがたい言葉をいただきました。これからも県民に夢を与えてもらえればと思います。本日はどうもありがとうございました。

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