■県内唯一の「どぶろく工房」
10月6日(金)今年の新米を使ったどぶろくの仕込みを取材させていただき、お話を聞かせていただきました。
▼多和のために何かをしたい
「今年でどぶろくを作り始めてから10年目になります。コロナがあり、ここ数年はなかなか外に向かって売り込みに行けなかったが、10年という節目にふるさと納税の返礼品や新たな販路を見つけていきたいし、新しい商品も開発していきたい。」とどぶろく作りのメンバーである真部八千億さん。
10年続けられた理由は、と尋ねると、「多和のために何かをしたいという想いの仲間と一緒に走ってきました。気が付いたら10年経っていたという感じかな。」と照れながら、しかし「これからよ。」と力強く語ってくれました。
◇どぶろくとは…
白く濁ったお酒で、炊いた米に米こうじや酒粕に残る酵母などを加えて発酵させて作られます。米を使った酒類では最もシンプルなお酒です。
・平成24年6月 「結願の里多和の会」発足
・平成25年3月 「どぶろく特区」認定
・平成25年10月 酒類製造免許取得・製造開始
・平成25年11月 どぶろく工房オープン「結願御礼」販売開始
・令和元年10月 「多和のしずく」販売開始現在に至る
◎「結願御礼(750ml)(左)と「多和しずく」(300ml)(右)(本紙PDF版3ページ参照)いずれも「産直市場」で販売
「甘くて飲みやすいのが自慢です」
▼新しいことで相乗効果を
多和地区の新たな取り組みとして、遊休農地となっていた田んぼに市の花であるコスモスを市の事業を活用して育てています。この取り組みもボランティアで行っています。
メンバーの一人である細川和美さんは、「多和には遊休農地が多いので、それを何とかできないかと考え、コスモスを植えました。今年は初めてなので試験的に行いましたが、来年からはもっと広げていきたい。コスモスを見に来てくれた人が近くの『産直市場』などによってもらうなど相乗効果が生まれれば嬉しい。」と多和の新たな秋の風物詩となることに期待を膨らませていました。
・秋風に揺らぐコスモス畑。田んぼ一面に咲く姿はまさに圧巻。
~多和にしかないもの~
・弁慶が持ち上げたと言われる「力石」
・大小様々な望遠鏡がある「天体望遠鏡博物館」
・国指定重要文化財である「細川家住宅」
※各写真は本紙PDF版3ページをご覧ください。
◆取材を終えて…
集落支援員の多田さんが多和地区の方々に行ったアンケートでは、「将来、多和以外で住みたいか」という質問に対し、7割以上の方が「多和以外で住みたいと思わない」と回答されています。
山間部で、かつ少子高齢化が顕著な多和地区で、この地に住み続けたいと思う方が多いことは、たとえ不自由であっても、隣近所との助け合いや、「多和にしかないもの」を大切にしたいという想いの表れではないかと感じました。
また、今いる人だけでなく、多和を離れた若い人も多和のために何かしたいといった動きが生まれつつあることは、距離に関係なく自分たちの生まれ育った地域を「我が事」として捉え、人と人、人と地域を繋げようという地区の地道な取り組みが実を結び始めた証ではないでしょうか。
今、新しい風が吹き始めた多和地区の取り組みの中に、持続可能な共に創る協働のまちづくりのつのヒントが隠されている気がします。
問合せ:プロジェクト推進室
【電話】087-894-6110
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