今月は、さまざまな人達がその特性を活かしてまちづくりに参画する試みとして、「さぬき市地域未来づくり会議」と、9月に開設した市の公式インスタグラムを中心にお伝えするとともに、地域で行われているまちづくり活動についても改めて紹介します。
■さぬき市地域未来づくり会議
昨年4月、市では、若者の視点からの意見やアイデアを市の地域課題の解決や今後の魅力的なまちづくりに活かし、いつまでも住みたい・住み続けたいまちの実現に繋げていくため、「さぬき市地域未来づくり会議」を立ち上げ、まちづくりに関心が深い若者5名を委員として選任しました。
会議では、最初に各委員が感じているさまざまな市の課題の中から、「人口減少対策」、「空き家対策」、「戦略的情報発信」の3つのテーマを取り上げ、解決策について議論していくこととしました。
議論の過程では、各テーマに関係する市役所の担当課の職員も同席し、現状や課題感などを共有しながら、解決のためのアイデアを出し合いました。すぐに実行に移せるアイデアについては、その場で提案し採用されたものもあります。
一方、議論を続ける中で、たとえ有効なアイデアを提案できたとしても、市(行政)、そして限られた数の職員だけでやり切ることには限界があるのではないかとの意見から、市だけでなく民間の力を借りて課題を解決する仕組みを取り入れていくことについて議論していくことになりました。
そこで、官民連携の取り組みが進んでいる先進事例の情報収集を手始めに、先進自治体への視察なども行う中で、まず市の課題解決に向けた官民連携の提案を受け付ける総合的な窓口となる専用のサイトを設けることが第一歩ではないかという結論に至りました。
会議を始めて1年が過ぎた本年4月には、市長などに対し、これまでの成果として、取り上げた3つのテーマに対する課題感や解決策のほか、民間と連携した課題解決の仕組みの重要性と総合的な窓口となる専用サイトの開設を行いたいことなどを報告しました。
この官民連携のワンストップ窓口となる総合専用サイトについては、メンバー自らが作成し、10月から実際の運用が始まっており、今後民間企業などから魅力的な多くの提案が寄せられることが期待されています。
会議の座長を務める旧津田町の黒川さんは、会議の中で、「例えば人口が10万人のまちで全員がまちの悪口を言っている場合と、人口が1万人しかいないまちでも面白いことを色々やっていこうという人たちがたくさんいる場合とを比べると、将来後者のまちが生き残るのではないかと思う。これからは、まちづくりをしようとしている人(作り手)を増やし、支援していくことが重要ではないか」と意見を述べています。これは本市が進めようとしている『共に創る協働のまちづくり』に通じる考えで、こうした思いの実現を念頭に会議がコーディネートされています。
「さぬき市地域未来づくり会議」は、現在も、平日の夜間、さぬき市役所の会議室で月1回のペースで行われています。傍聴も可能ですので、皆さん一度覗いてみてください。
■市公式インスタグラム
次にご紹介するのは、気軽にまちづくりに参加できる市の公式インスタグラムです。
個人の方がこの公式インスタグラムをフォローし、「#ええとこさぬきし」をつけてお気に入りの市内の写真や動画を投稿していただければ、その中から市が再投稿(リポスト)します。市と一緒になってさぬき市を盛り上げていく試みを通して市民の皆さんが改めて本市の魅力を再認識し、愛着を持っていただくとともに、さぬき市の「ええとこ」が連鎖的に拡散していくことを期待しています。
■地域のまちづくり活動
「広報さぬき」では、昨年9月号で小田地区、12月号で多和地区におけるまちづくりの取り組みを紹介しました。
小田地区では、小田支会を中心にさまざまな団体が有機的に連携し、地域を盛り上げるため「日曜市」や「カフェ」などを定期的に開催しているほか、年1回地区全体で「清掃活動」や「感謝祭」を実施し、世代間の交流やふれあいの場を作るなど、まちづくりを楽しみながら「自分たちのまちを自分たちの手で」良くしていこうと取り組んでいます。
また、多和地区では、地域活性化のために有志が立ち上げた「結願の里多和の会」が、閉校となった旧多和小学校を核として「天体望遠鏡博物館」や「どぶろく工房」「産直市場」の運営を継続していますが、後継者不足が危惧されていた中、昨年から若い人たちからも地域のために何かをしたいと言う声があがり、世代を越えた新しいまちづくりの動きが始まりました。
■終わりに
多様な担い手や組織が主体的に参加するまちづくりが、人口減少下にある本市に見られ始めています。次号ではその代表的な取り組みを中心に紹介します。
問合せ:プロジェクト推進室
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