◎自分たちでできることは自分たちで
さぬき市の東部に位置し、かつては遠洋漁業の拠点として栄えた津田地区。しかし近年は高齢化や、人口減少の進展により、かつての勢いが失われつつあります。
そんな津田地区で、今、新たなまちづくりの活動が行われていることをご存じでしょうか。
今回は、まちの魅力に惹かれ、もう一度かつての賑わいを取り戻そうと奮闘している「一般社団法人さぬき市津田地区まちづくり協議会」(以下、「協議会」)の活動をご紹介します。
◆協議会の代表理事である寺山さんに活動の経緯や今後の展望などについて、お話をお伺いしました。
▽始めるなら『今しかない』
津田地区は、県立病院の廃止や中学校の統廃合、銀行の撤退など、色んなものがなくなってきました。このままでは何もなくなってしまうと思った時に、改めて津田地区を見直すと、人が集まるポテンシャルがまだまだあることに気づきました。そこを新たな視点で切り取り、磨き上げ、光を当てていくのは『今しかない』と思い立ち、同じ志を持った者と一緒に法人として立ち上げました。
▽行政だけに頼らないまちづくりを
まちづくり活動を一過性のものにせず、持続性を持たせるためには行政だけに頼らず、民間主導で行うことが必要だと考えました。また活動に幅を持たせるために法人化することとし、立ち上げに当たり、メンバー同士で出資しました。これにより本気でこのまちを良くするという覚悟が決まりました。また、活動の全てを合議制で決めていくこととしており、どんな意見も議論の土台に上げるようにしています。
▽関わりたい人を増やしたい
ふるさと海岸通り周辺エリアの愛称『ウラツダ』には、新しいお店が出店し賑わいが生まれつつありますが、まだまだだと思っています。もっとお店が出店し、多くの人に来てもらうことで賑わいが増し、経済が回るようにしていきたいと思っています。
さぬき市、そして津田地区の人口減少はこれからも進んで行くことは間違いないと思います。そんな中で我々にできることは、このまちに関わりたい人を増やすことだと考えています。それは市(行政)ではやりにくい部分でもあると思うので、その活動を地道に続けていきたいです。その後の移住や定住へ繋げる取り組みや支援は市へバトンタッチしていければ良いと考えています。
◆一般社団法人津田地区まちづくり協議会とは
前身の「さぬき市津田地区漁業活性化協議会」での活動がきっかけで、漁業以外のポテンシャルの高い資源に未来の可能性を感じた有志が、『自分たちでできることは自分たちで』を合言葉に、令和4年1月に法人化して立ち上げた団体。
主要メンバーは5名。さまざまな業種の事業者からなり、年代は20代から70代と幅広い。
5名の内3名が市内在住、2名が市外在住であり、地区のことを内側と外側の両面から見ることができることも組織としての強みとのこと。
◆津田町の365日をデザインする
協議会では、『津田町の365日をデザインする』というコンセプトのもとさまざまな活動を展開。ウラツダの一角にオープンさせたピザ屋は代表的な取り組みの一つ(右写真)。使われなくなった漁業倉庫をクラウドファンディングなど、多くの方の支援によりお店として生まれ変わらせた。地域の人に活動をじかに見てもらうことができるとともに、地域外の人にも津田地区を知ってもらうきっかけとなることを期待している。
◇津田の松原はシンボリックな存在
今年、瀬戸内海国立公園指定90周年を迎えた津田の松原は、津田地区の大きな資源だと思っています。また、地元の方にとってはシンボリックな存在であることを改めて気付かされました。でも、だからこそ『今』その象徴を何とか活かしていきたいです。
◇本気でこのまちを良くしたい
私たちの活動はまだまだ始まったばかりで生意気なことは言えませんが、本気でこのまちを良くしたいと思っていますし、それには今しかないと思っています。これからもさぬき市、そして津田地区のためにあがき続けたいです。
◆兵庫県からさぬき市に移住し、協議会が運営するピザ屋で、地域おこし協力隊として働いている折口さんにもお話をお伺いしました。
◇津田のまちが大好き
砂浜から眺める津田の海が好きです。何より協議会の皆さんはもちろん、地域の色んな方が声をかけてくれ、受け入れてくれるこの津田のまちが大好きです。これからも住み続けたいと思っていますし、地域に開かれたイベントの開催などで盛り上げていきたいです。
さぬき市は、「人と人、人と地域がつながりひろがっていく、持続可能な共に創る協働のまちづくり」を応援しています。
本気で津田地区を良くしたいと奮闘している協議会の皆さんからは、まちづくりにかかわる責任と覚悟を感じました。
人口減少の中であっても、多様な担い手が地域の未来を『我が事』として案じ、『自分たちでできることは自分たちで』をコンセプトに民間主導で人と人、人と地域の関係づくりに取り組んでいる協議会の活動は、これからのまちづくりの新しい形の一つではないでしょうか。
問合せ:プロジェクト推進室
【電話】087-894-6110
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