小学校六年
私の親戚には、トランスジェンダーの子がいます。小さいころは毎年会っていましたが、感染症のこともあり、ずっと会うことができずにいました。今年の夏休み、その子に久しぶりに会い、そのときに聞いた話に疑問をもちました。それは「学校ではなるべくトイレや廊下に行かないで。」と言われたというものです。体は男の子だけど、心は女の子だから、男子トイレに行くのが恥ずかしくて、女子トイレに行くと、「あまり女子トイレに行かないで。」と言われるそうです。トイレにも自由に行けず、廊下にも出られない、そんな学校生活は悲しいと思いました。私たちが小学二年生のころ、その子はリカちゃん人形を大切にしていて、私は男の子なのに変わっているな、と思っていました。けれども、一緒に遊ぶと楽しくて、たくさん笑って過ごしました。今年久々に会って、はじめはどう接したらよいか分からず、少し緊張しました。けれども、話しているうちに、好きなことが一緒だったので、話は盛り上がり、そのうちに男でも女でも、私はそんなこと気にならなくなっていきました。トランスジェンダーの子が何に困っているのか、どうしたらみんなで楽しく過ごせるのかと考えたら、学校で言われた言葉も、もっと違う言い方になっていたのかなと思います。その子も、いろいろ悩んだり苦しい思いをしたりしています。トイレも、どちらのトイレにも行きにくくて、多目的トイレを使っているけれど、それも周りの人からの視線が気になるようです。性別を書くときも女の子と思っているのに男の子と書かなくてはいけなくて、心にモヤモヤが残っているそうです。
私が思っていた当たり前が、そうではないことに気がつきました。私がこうして感じたことをみんなに話すことで、一人でも多くの人にトランスジェンダーのことを知ってもらい、考えてもらうきっかけになればいいなと思っています。だれもが自分らしく、お互いのことを考えて生きていける世界になってほしいです。そのためにも、トランスジェンダーだけではなく、悩んでいる人がいたら、たくさん話をして、答えが見つからなかったとしても、話を聞いて、そばにいることが大切だと思いました。
◆相手のことを思い、寄り添っている優しい気持ちを感じました。自分の当たり前で接していると、時に誰かを傷つけてしまうことがあることに気づかされました。常に自分の考えを見つめ直していきたいですね。
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