再配置によって、市内の施設がどのように生まれ変わったのか、関わる人たちの思いと共にお伝えします。
■旧大浜小学校のいま 小学校跡地のお菓子工場 株式会社本気モード『大浜スイーツアカデミー・MOZAIK(モザイク)ストアー大浜』
旧大浜(おおはま)小学校は、市の一般競争入札により、「株式会社本気モード(以下、本気モード)」が落札し、昨年4月に所有権が移転しました。
◇大浜小学校の廃校から現在まで
平成31年3月:閉校
令和5年1月:一般競争入札にて落札
4月:所有権移転(本契約)
7月:大浜スイーツアカデミー オープン
令和6年3月:MOZAIK(モザイク)ストアー大浜 オープン
◇学び舎(や)を「スイーツ製造工場」に
本気モードは、詫間町松崎に本社を置き、通販事業やコンサルティング事業などを手掛ける地元企業です。旧大浜小学校の校舎を改修後、昨年7月、「大浜スイーツアカデミー」をオープンし、地元の果物などを使用したチョコレートや焼き菓子などの製造を行っており、主にインターネットで販売されています。
また、今年3月には、体育館の入り口フロアを改装し、直売店として「MOZAIK(モザイク)ストアー大浜」をオープンしました。
◇小学校跡地利用に込めた思い
「旧大浜小学校の購入を決めたのは、地域の雇用を創出したいという思いと、廃校の維持管理には税金もかかるので、購入すれば地域貢献もできると考えたからです」そう話すのは、本気モード代表取締役の樋口憲一さん。
「この場所は自然豊かで、地域の人も温かく協力的です。アカデミー(学校)と名付けたのは、地域と共に常に学び続け進化し続ける場所にしたいという思いからです」
教室は、各作業工程において使いやすい広さだと話す樋口社長。旧小学校の外観はそのまま残し、教室1室を丸ごと冷蔵庫や冷凍庫に改修するなど、さまざまな製造過程での作業場や倉庫、オフィスとして、全教室がフル活用されています。
◇地域の人との関わり
地元の人を積極的に雇用しており、従業員の中には、旧大浜小学校の卒業生もいるそうです。
「地域の人から雇用の問い合わせを多くいただき、高齢者や移動手段のない人にも自宅でできる包装作業などの仕事を依頼したり、好きな時間に来て掃除をしてもらったりと、皆さんが希望する働き方に柔軟に対応しています」
また、近隣に買い物をする場所が少ないため、その一助になればと、「MOZAIK(モザイク)ストアー大浜」には、工場で製造されたお菓子のほか、お弁当やパン、調味料、駄菓子などが並びます。
◇今後の挑戦
「この広大な敷地を活かしてイベントを企画したり、自分たちでスイーツの原材料を育てることにも挑戦したいです」
また、本気モードでは、AI(人工知能)技術を取り入れたスイーツレシピの考案や製造過程の自動化なども進めています。
昨年春、校舎の前に設置された石碑には、「大浜(ここ)から世界へ」の文字が刻まれています。地域の歴史と思い出が詰まったこの場所で、地域と共に「本気」で挑む挑戦を、シンボルツリーの大楠(おおくす)が校庭から静かに見守っています。
■旧大浜幼稚園のいま 地域交流館荘内(しょうない)
これまで「荘内自然休養村センター」は、地域住民を中心とした活動拠点の場として利用され、「大浜老人いこいの家」は、老人会の活動などに利用されていました。しかし、耐震基準を満たしていなかったため、旧大浜幼稚園に、2つの施設の機能を集約することが検討されました。
市では、幼稚園改修費用と建て替え費用を比較した結果、建て替える方が安価であるとの試算から、「地域交流館荘内(しょうない)」を開設しました。
その後、借地に建てられた「大浜老人いこいの家」は、その土地の所有者から購入希望があったため売却し、「荘内自然休養村センター」は令和7年度に解体を予定しています。
◇安心して利用できる施設に
地域の新しい活動拠点について、大浜自治会長の森伸男さんに話を伺いました。
「年に数回、敬老会などで大勢が集まる際は少し手狭に感じることもありますが、3つの会議室をつなげて対応しています。
何より耐震補強されているので避難所としても安心して利用できます」
◇大浜幼稚園の廃園から現在まで
平成31年3月:閉園
令和4年3月:解体工事完了
令和6年1月:地域交流館荘内 完成
4月:利用開始
■これから
公共施設の再配置は、これからの三豊市を担っていく若者世代に負担を先送りしないための取り組みです。
売却地情報に興味のある人は、公共施設再配置推進室へお問い合わせください。
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