■命と暮らしを守り安心感を届ける
三豊市長 山下昭史
あけましておめでとうございます。市民の皆さまにおかれましては、令和7年の輝かしい新春を健やかにお迎えのことと、心よりお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、誰もが新年の平穏と多幸を願う元日に、石川県能登半島で最大震度7の揺れを観測した地震が発生し、住宅の倒壊などにより甚大な被害がもたらされ、災害への備えの大切さを改めて考えさせられた年明けとなりました。
また、近い将来、本市でも南海トラフ巨大地震の発生が懸念される中、4月に発生した豊後水道(ぶんごすいどう)を震源とする地震では、市内で震度3の揺れを観測し、8月に発生した日向灘(ひゅうがなだ)を震源とする地震では、気象庁から香川県を含む南海トラフ地震防災対策推進地域を対象に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が初めて発表されました。
これにより、地震の恐ろしさを再認識し、強い危機感を抱いたところです。
さらに、昨年は三豊市で記録的短時間大雨情報が発表され、東かがわ市では線状降水帯が県内で初めて発生するなど、近年の地球温暖化などの気候変動により、気温上昇、雨の降り方の変化、海面水位上昇などが生じ、各地で気象災害のリスクが高まっていくことが危惧されています。
これまで本市は自然災害の少ない地域でしたが、今後起こりうる自然災害に対し、万全を期して迅速に対応するためには、一人ひとりが他人事ではなく自分事と捉え、「最大限の備え」と「防災意識の向上」を今まで以上に心掛けることが必要です。
そして、市民の皆さまの『命と暮らしを守り、安心感を届ける』、このことが私たち行政の役割として何よりも重要です。これまでも住宅の耐震化事業など、市民の皆さまの防災・減災につながる施策に取り組んできましたが、今後も地域全体で防災力のさらなる充実・強化を図り、「災害に強いまちづくり」を一丸となって進めてまいります。
災害に強いまちを礎(いしずえ)に、本年も子どもから高齢者までの全世代が豊かさや幸せを実感し、笑顔で過ごせるよう、新しい着想と発想をもって迅速で切れ目のない施策を展開してまいります。
そして、三豊に住んで良かったと誰もが実感できるまちの実現に向けて全力で取り組んでまいりますので、市政運営に対しましてご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、皆さまにとりまして、健康で夢と希望に満ちた素晴らしい一年となりますよう心からお祈り申し上げます。
■新しい時代への一歩
三豊市議会議長 丸戸研二
どの顔もほほ笑んでいる。しかしその奥には緊張感が漂っており、軽く冗談も言い合うが、あくまでも社交の範囲にとどまっている。
平成18年1月1日、7町の町長や議長など関係者が出席して7町合併の式典が挙行され三豊市が誕生しました。
同時に、合併後の新市建設のため「合併特例債」という、借入金ではあっても事業費の約66%が国から措置される有利な財源の運用が可能となり、三豊市では運用総額が約446億円で、合併後10年間が運用期限とされましたが、その後5年ずつ2回にわたって運用延長が行われ、実質20年間の運用期間となりました。
この財源は確かに有利ではあっても、あくまでも借金であり、その運用に対しては慎重論もありました。市長は、新しい三豊市建設のためにはこの財源を効果的に運用し、「未来への投資」としてその全額を運用する方針を提案し、議会も、真に「未来への投資」となることを条件に全額運用を了承し、これまで三豊市建設に取り組んでまいりました。
本年は、合併特例債20年間の最後の運用年度となり、その総仕上げと、合併特例債に代わる主要財源を見いだし、今後の安定した財政運用の処方箋(せん)を持たなければならない「時代の転換点」となっています。
このような状況の下、市議会では昨年9月議会において、これまで22人であった議員定数を、次回の選挙から2人減員して20人とすることを決定いたしました。市議会議員には、これまでにも増して市民の声を聴き、市民説明を行い、これまで22人によって担ってきた責任を20人で担う活動をすることが求められます。
また、12月議会からは、「より開かれた議会」への取り組みの一環として、教育委員会と連携して三豊市の将来を担う高校生、中学生の議会傍聴も始めました。中・高生には、ありのままの議会を見ていただき、それぞれに三豊市に対する思いを持っていただきたいと願っています。
現下、人口の減少、少子高齢化の進行、緊張感を増す市財政など三豊市づくりにとってはマイナスとなる要因・課題に直面していますが、市長、議会、そして市民の皆さまが、それぞれの立場から責任を果たすことによって乗り越えなければなりません。
そのためには、現状をただ悲観的に見るのではなく、希望を持ち互いに手を携(たずさ)えて『新しい時代への一歩』を踏み出したいと思います。
令和7年が、市民の皆さまと三豊市にとって輝かしい飛躍の年になることをお祈りし、年頭のご挨拶とさせていただきます。
※詳しくは本紙をご覧ください。
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