■丸亀城南西部石垣の基礎構造(4)
石垣角部の深い所へ水が集まってしまう石垣基底部の構造はどのようなものでしょうか?
帯曲輪(おびぐるわ)石垣の基底部(本紙16ページ上部の写真)を見てみましょう。
石垣の基底部には、山の斜面に石垣を築いた当時の人たちの痕跡が刻まれています。石垣を築くといっても、山の斜面にいきなり石を置くことはできません。そこには草や木も生えていますし、地表面に固いしっかりとした土はありません。安定した石垣を築くためには、固い平坦な地面が重要となります。帯曲輪石垣の基底部を見てみると地山が階段状に削られています。これは「段切り」とよばれ、斜面を階段状に削ることでその上に築く石垣を滑りにくくし、なおかつ固い地山でそれを行うことで何段もの石垣の重みに耐えることもできます。現地で目の当たりにすると、これだけの範囲を人力のみでよく削ったなあと感心するばかりです。
さて、この段切りに上から水がくるとどう流れるでしょうか?まさに階段の上でバケツをたおしてしまった時のように、段に沿って下へと流れ、最後は石垣角部の深い所(本紙16ページの写真の星マーク)に集まってきます。
※詳細は本紙16ページまたはPDF版をご覧ください。
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