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自治体の皆さまへ

《特集》認知症とともに生きるために

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香川県丸亀市

2025年には高齢者の5人に1人がなると予測されている認知症。今年6月14日、認知症の人が希望をもって暮らせる社会を目指した「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立しました。この法律には、国や自治体の取り組みに加えて認知症を正しく理解するという国民の責務も定められています。私たちにとっていつ、どのような立場で訪れるか分からない認知症とともに自分らしく生きるために、今できることを考えてみませんか。
今回、6年以上認知症のご主人を介護し、認知症に関する様々な取り組みを続ける合田美貴子さんにお話を伺いました。

◆にじいろカフェ城南代表 合田 美貴子さん
美貴子さんが異変を感じたのは、ご主人の友二さんが66歳のとき。「友達の家から帰り方が分からない」と友二さんから連絡がありました。病院で認知症と診断されて以降、二人の生活は一変。苛(いら)立ちがつのり、友二さんを責めてしまうときもあったと美貴子さんは振り返ります。本人が楽しめることをさせてあげて、とお医者さんに言われ、友二さんに尋ねてみても、楽しいことを考えることさえ難しいのが認知症なのだと痛感しました。
「地域包括支援センターも知らず、デイサービスにもまだ通っていない当時は、本当に苦しかった。認知症の人もつらいがその家族もつらい。一人で抱え込んだら悪くなるばかりだと思いました」
コーヒーを作るのが好きだった友二さんと一緒にカフェを開いて、自分たちと同じく認知症で悩んでいる人に、「教材」として今の様子を見てもらおう。それがにじいろカフェ(認知症カフェ)を始めたきっかけでした。市からの補助を受け、市の委託事業として令和元年6月にカフェをオープン。今では認知症の人だけでなく、預かり保育中の子どもたちや一人暮らしのお年寄りなど、幅広い世代が楽しむ憩いの場となっています。
現在、症状がさらに進行し、友二さんは一人で歩くことも難しくなりました。「認知症にならなければ、他の人と同じように、主人も退職後の生活を満喫していたはず。それができなくなっても今、生かせることをさせてあげたい。でも、無理やりさせていることばかりではないかと悩むときもありました」と美貴子さん。気持ちが塞ぎ込んだとき、周囲の「変化」に励まされたそうです。
「カフェに訪れた人が主人を見て、歩行を手助けしてくれたり、声を掛けてくれたり。自然と寄り添ってくれるようになったのが、一番うれしかった。カフェに来てよかったと言ってくれた人の声もきくと、主人にとっても、周りにとっても続けてよかったと思えました」
認知症カフェは現在、市内に15か所あり、そのうち、個人での運営は美貴子さんのカフェのみ。「もっとカフェを開けてほしいという要望もあります。ふらっと立ち寄れて、誰かが話を聞いてくれるような居場所が市の中心部にできたらいいのに」と美貴子さんは話します。
こうした意見も踏まえ、市では地域の人たちと協力して、今年の4月から「わたしの居場所〜まるちゃん〜」を開設しました。月1回の開催のため、美貴子さんが望むような常設の場には程遠いですが、少しずつ、新たな居場所づくりを広げようとしています。

◆丸亀城オレンジライトアップ
認知症の人が希望をもって暮らせるように。毎年9月21日は「認知症の日」。認知症のシンボルカラーであるオレンジ色に染まる丸亀城を見て、家族や友人にその理由を伝えてあげてください。
実施期間:9月8日(金)~21日(木) 日没~天守閣ライトアップの終了時

◆わたしの居場所 ~まるちゃん~
「認知症の人と家族が気軽に集い、おしゃべりや相談、できることを一緒にすることでゆったりと過ごしてほしい」という思いから開設。
認知症の人や家族、専門職員、認知症の知識を深めたボランティアの人たちなどの協力のもと運営しています。
○次回は9月21日開催予定
場所:マルタス ※月により開催日時は変動します。
詳しくは地域包括支援センター【電話】24-8933

◆認知症は誰にでも起こりうるから
「何かおかしいな?」「ひょっとしたら…」と思ったら、できるだけ早く相談しましょう。
○市の相談窓口
日時:月~金曜午前8時半~午後5時15分受付
※土・日曜、祝日、年始年末を除く
地域包括支援センター(市役所2階)【電話】24-8933
地域包括支援センター南部センター(飯山市民総合センター1階)【電話】85-3350

○若年性認知症支援相談窓口
「65歳未満の人は右記の窓口へ」
日時:月~金曜午前9時~午後4時受付
※土・日曜、祝日、年始年末を除く
【電話】080-4719-5073

市内で受けられる支援や医療機関、各種相談窓口などの情報を掲載した「認知症ケアパス」は地域包括支援センターの窓口で配布、または市ホームページからダウンロードできます。
※本紙3ページの二次元コードをご参照ください。

◆今私たちにできることは温かく見守る応援者(サポーター)になること
▽認知症サポーター養成講座
認知症の基礎知識や認知症の人への対応の仕方などを学び、正しく理解する「認知症サポーター養成講座」を、市内の小中学校や市民のほか、民間企業(保険会社・宅配業者など)や団体に向けて開催しています。認知症とともに生き、誰もが安心して暮らせるまちを目指しましょう。

問い合わせ:地域包括支援センター
【電話】24-8933

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