文字サイズ
自治体の皆さまへ

Interview わたしと仁淀川 vol.1

5/36

高知県仁淀川町

産業技術総合研究所チーフ連携オフィサー兼 国立大学法人 筑波大学 客員教授
大久保雅隆さん
超電導エレクトロニクスの国際標準化を主導

■経済産業大臣賞を受賞
大久保雅隆さんは、超電導エレクトロニクス(※1)を活用して、「目に見えないものを見えるようにする」ことに取り組む先端計測技術の研究者です。まだ、この分野の標準化(※2)が成されていなかった平成17年に、標準委員会の委員長をやらないかと誘われました。大久保さんは、実は学術論文を出すことのみが使命だと考えていた若い頃だったので、断りたかったそうです。しかし、先輩からの頼みであったため、国内技術委員会の委員長に就任しました。その後、IEC(国際電気標準会議)とIEEE(米国電気電子学会)の間で議論を調整し、国際委員会の委員長として、日本が標準化に主導的な役割を果たすことに貢献。この功績を称えられ、「令和4年度産業標準化事業表彰・経済産業大臣賞」を受賞しました。
大久保さんは、「当初、乗り気ではなかった標準化に助けられました。世界中の多くの研究者とネットワークを作ることができ、最新の研究動向を知り得る立場になりました。次世代のために国際標準という共通言語を残したい。」と話していました。

■仁淀川町での思い出
大久保さんは大野地区出身。幼少期は、鳥かごを自作したり、プラモデルを作ったりと、工作が大好きでした。よく父親のオートバイの後ろに乗って、池川の町までプラモデルを買いに行くこともありました。大久保さんは、「とても人見知りで、知らない大人が来ると母の後ろに隠れていました。そのような子どもだったので、大野から池川の町に出るのも都会に出るようなものでした。高知市内は大都会です。大人になってからは海外に行く機会が多くなり、あの子どもがよく海外の人と話せるようになったものだと驚きです。定年後5年が経過し、仁淀川町の役に立つことは何かないかと考えています。子どもの頃に親が出荷していたコウゾや、ミツマタにも挑戦できたらと、小さな夢を考えています。」と話しました。

(※1)超電導エレクトロニクス
超電導は、特定の物質を冷却すると電気抵抗がゼロになる量子現象。送電やリニアモーター、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)では超電導線が実用化。エレクトロニクスは電子工学のことで、小さな超電導素子が量子コンピュータやセンサーで活躍中。
(※2)標準化
工業製品などに関する用語、製品の性能比較を公平に行うための測定法、電気回路図で使用する抵抗やトランジスタなどの図記号など万国共通の規則を作ること。

▽おおくぼ・まさたか
昭和33年仁淀川町大野生まれ。
まあちゃんと呼ばれていた。大学卒業後、研究者の道へ。
現在は、茨城県在住。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU