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人権コラム ~もしもの話~

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高知県四万十市

ホントにもしもの話。喧嘩(けんか)をして相手を殺してしまった。問題は「殺意」があったか、なかったかである。あれば殺人、なければ傷害致死。心の中が見えれば分かるが残念ながら見えない。だが裁判所はそれを判断しなければならない。人が人を裁くとはまさにこういうことなのだ。私にも憎たらしいと思う人がいた。でも会うと「あ、どうも〜。」とか言って愛想笑いさえした。でも心の中には「憎しみ」が確かにあった。心の中だけで判断するなら、私は有罪で、実際に人を殺しても「殺意」がなかった人は無罪だ。もちろん現実はそうはならない。私は無罪どころか何も起こらなかったことになるし、たとえ殺意がなくても殺せば重大な犯罪になる。
チャップリンの映画「殺人狂時代」の「一人を殺したら殺人犯になるが(戦争で)多くを殺したら英雄になる。」というセリフを思い出す。いま世界中のいたるところで殺人や戦争が頻発している。殺意がなくても「殺人をさせられる」これが戦争である。私たちも無関係ではない。地球という惑星で同じ空気を吸って生きている仲間の話なのだ。仲間のために何かできないだろうかといつも思う。

四万十市人権教育・啓発講師 光内真也

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