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人権コラム

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高知県四万十市

~人間失格~
人生でいろいろ不合格はあったが、「失格」になったことはまだない。「人間失格」はかなり厳しい表現だ。太宰治が自分の心を主人公に映した小説だという人もいる。
最近、自分を「クズ人間」だと言って笑いを取っている人を見かけるが、本物のクズ人間は自分を「クズ」とは言わない。言えない。なんなら毎晩、寝る前に反省さえする。そして次の日、同じ過ちを繰り返す。「わかっちゃいるけど、やめられない」のだ。なぜ、そう言えるかは置いておくが、わかっていながら、どうにもならない自分がいることだけは確かだ。
自分の不幸は社会が悪いせいだと、いつも思う。そういう考え方だから、幸せになる努力をするよりは、文句を言うほうが楽だ。そして、また同じ過ちを繰り返すのだ。
私も50年位かかって、少しずつ、「合格」が増えてきて、目を背けてきた社会問題にも、今は向き合えそうな気がしている。
年をとっても、社会の様々な問題に向き合うことに遅すぎることはないし、若い人にとっても、早すぎることはないと思う。
ちなみに「ニンゲン合格」という映画があるらしいが、一度観てみたい。

四万十市人権教育・啓発講師 光内真也

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