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四万十市 ふるさと応援団員からの便り

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高知県四万十市

■生活の豊かさ、農村文化を育む
横浜市在住 佐藤 忠
6月2日、10年前に見た四万十川を乱舞するホタルを、ぜひ妻にも見せてやりたいと思い、土佐幡多の会ツアーに参加し、幡多エリア全域をボックスカーで巡った。
ツアー初日は、ひろめ市場でカツオのたたき、川エビの唐揚げ、青さのりの天ぷら、焼きそばを食した。横浜では見たことのない刺身の大きさであった。この日は、高知市で日曜市が開かれており、季節の野菜や花、ゆず、文旦、打刃物などが売られていた。中でも能面を売っている店では、ピンクがかった土佐ヒノキの木肌が年月を経てアメ色に変わり、趣があった。
「道の駅四万十とおわ」でアイスクリームを食べ、勝間の沈下橋に向かった。橋を渡ると、「釣りバカ日誌14」の記念碑が残されていた。川岸には手長エビをとる40cmのビニル管が連なって置かれていた。
佐田の沈下橋では屋形舟に乗船し、ホタルを観賞した。上流に船を進めながら、天然アユの塩焼き、タビエビの塩煮などを味わった。ホタルは20時を過ぎたころ多くなり、川岸近くで光っていた。
翌日は、唐人駄場、黒潮市場、龍宮神社を巡り、イタリアンレストランで昼食をとった。観光農園ではブドウ畑を見学し、マスカットの粒は1cmに満たない大きさであった。代表の方は「収穫までには袋詰めなど7回もの手作業が入り、世話が大変で重労働、マスカットの値段が高いことを理解してほしい」と話していた。
三原村亀ノ川に着くと、村の「ほたるまつり」イベントに100名の人が出迎えてくれた。川岸には青竹をくり抜いて、ろうそくの火が20本以上歩く道を照らしていた。川岸にはゲンジボタル、田んぼにはへイケボタルが一度に15匹ほど輝きを放っていた。最終日、観光物産センター「ゆういんぐ四万十」に立ち寄った。地元の新鮮な野菜をはじめ、ゆず、小夏、仁井田米などが並び、銀座の高知県アンテナショップでも人気が高い焼肉タレのほか、大きなびわを購入した。
ツアーで訪れた三原村は人口1400人、高齢化も進んでいる。「村民一人ひとりの声が届く村づくり」を掲げ、村役場を中心に住みやすい生活環境を整えている。空き家を再生した移住政策、子育て・教育の支援、ゆりかご祝金の支給、さらに高齢者には集いのイベントなどが設けられている。返礼品のどぶろく酒は人気があり、11月の「どぶろく農林文化祭」には全国から人が集まる。
ツアー内で食べた弁当には、三原米のおにぎり、イタドリの炒め物、手造りの豆腐にこんにゃくが添えられていた。おばあちゃんが持っている農村の知恵が発揮されている。これからもおばあちゃんの知恵が観光資源になると良い。都会の老人は話し相手も少なく、テレビを見て過ごしている人が多い。「自然とともに生きている」生活環境は、恵まれているように感じる。将来は、地方の文化が日本を変えるかもしれない。

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