■初恋
小学6年のある日の授業中、左へ2列、前に1つ目の席に座っている女の子の横顔をボーッと見ていた。彼女が私の視線に気づいて、振り向く寸前にあわてて目をそらした。なぜか、胸がドキドキした。それが、きっと初恋だった。
大人になって、「あの人は今、どこで、何をしているだろう。」と四六時中、気になって胸が苦しい。それが、きっと恋だった。
愛という字は真心で、恋という字は下心、というが、恋愛はそれがセットになっているから始末に負えない。しかも、純愛も欲望も人間であることの大事な要素である。どちらも理屈では説明できない。好きになった相手がたまたま同性であったとしても、それをとやかく言う人は、今は時代遅れ。
「恋愛はこうあるべき」という固定観念はなくなりつつあるが、世の中には「差別」につながっていく固定観念を、いまだに捨てきれない人は多い。私もその一人かもしれない。時間をかけて積み重ねてきた「自分」はそう簡単に変われないのだ。でも、純粋だった「あのとき」を思い出すと、きっと、もっと優しい気持ちになれる気がする。
四万十市人権教育・啓発講師 光内真也
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