高岡高校(当時2年生)の小玉龍舞さんは、四国ブロックを1位で通過したのち、今年3月、新潟市で行われた全国高校選抜レスリング大会に出場。初日の2回戦に勝利したのち、最終日の3回戦、準々決勝、準決勝、決勝と、次々相手選手を下し、初優勝を果たした。
■生後10日でレスリングのマットに
兄も姉もレスリングをしているという環境で育ち、生まれた時からレスリングは身近な存在。自身も4歳頃から自然と始めた。全日本選手権で準優勝したこともある父、康二さんの指導を受け、高校も康二さんがレスリング部顧問を務める高岡高校へ。
■創部わずか3年
令和4年に同好会から正式な部となったばかりの高岡高校レスリング部。今年度の部員は3年生2名、2年生と1年生が1名ずつ。しかしながら、創部3カ月のとき、さらにその1年後にも全国高校総体(インターハイ)出場を果たすなど、まさに少数精鋭という言葉が似合うこの部に、龍舞さんは在籍している。
■全国高校選抜
今回人生で2回目の出場となる高校選抜。緊張はしたというが、眠れなくなるようなこともなく、通常は試合1週間前にはやめるという筋トレも3日前までしていたという。「いつも通り」がこの大舞台前でもできるとは頼もしい。力で勝ちたい、大技を使って勝ちたい!という思いがあり、レスリングの練習以外にも日々筋トレに励んでいる。
■徹底した自己管理
好きなスポーツ選手を聞くと、少し考え込んだ後、「ボディービルダーの体の大きな選手に憧れる」と。体を鍛えることが好きで、部活でしっかり汗をかいたあと、さらにジムでも2時間は体を鍛えている龍舞さん。今日はしんどいからやめておこう、なんて日はないのかと疑問に思ったが、「そうすると罪悪感が湧いてくるんです」とはにかみながら答えてくれた。
食べるものにもこだわりがあり、最近の間食のルーティンは鶏肉、ブロッコリー、卵など。食べた後に調子が良いもの、調子が悪くなったものなどを自身の体で覚え、メニューを考えているらしい。身長は175cmと聞いたが、もっと大きく見える。朝・2時間目終わりの休み時間・昼・放課後・夜と1日に5食は食べるという。
■夢は…
高校卒業後は進学を考えており、大学へ行ってもレスリングを続けるという。
夢は、と聞くと、気負うことなく静かな声で「オリンピックです」と一言。
世界で活躍する姿を見られるのが楽しみだ。
◆全国高校選抜レスリング大会最終日戦績
最終日の3回戦:東北ブロック2位の選手にテクニカルスペリオリティ勝ち
準々決勝戦:北信越ブロック1位で今年度高校総体3位の選手にテクニカルスペリオリティ勝ち
準決勝戦:東海ブロック1位の選手にテクニカルスペリオリティ勝ち
決勝戦:九州ブロック1位で学校対抗戦優勝メンバー選手にポイント勝ち
▽レスリングとは
直径9mの円形マットで行われる格闘競技。男子は全身で防御や攻撃をするフリースタイルと、上半身だけで防御や攻撃をするグレコローマンスタイルがあります。(※今回の高校選抜はフリースタイル)
試合時間は3分間ずつの2ピリオド。ピリオドの間に30秒間のインターバルがあります。
勝ち負けはフォールもしくはポイントで。相手の両肩を1秒間マットにつければ即フォールで勝利です。そうでない場合は、ピリオド間で得たポイントの多い方が勝利です。ポイント差が10点ついた時点で勝利となるテクニカルスペリオリティ(前テクニカルフォール)という勝ち方もあります。
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