このコーナーでは、何気ない日常で見つけた素敵なデザインを楽しみます。
NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」に関係して、今月は村内の花や民俗資料を紹介します。
▽遺存植物
5月頃から錦山公園周辺では、ホオノキの花を見ることができます。通常は山地(標高1,000mくらい)に生育していますが、日高村の蛇紋岩地では標高200m以下から生育しています。これは蛇紋岩地の特殊な土地的条件が、他では育ちやすい植物(※1)の侵入を拒み、このことからホオノキなどの氷河期に山地から低標高域に向かって移動してきた植物が残っている(遺存植物)と考えられています。白い大きな花は日本在来種の中で最も大きく、モクレン科らしい甘く強い香りがします。昔はホオガシワとも言われ、その由来は葉に食物を盛ったことから来ています。葉が大きく、抗菌作用があり香りも良いことから、今でも食物を盛ったり包んだりされています。利用されています。
※1 暖温帯であればシイ類やカシ類、タブノキなどの照葉樹林。
▽花台
小村神社秋大祭での見どころのひとつに頭家の地区で作る「花台」(※2)があります。竹ひごの太さによる花の枝垂れ方など、地区ごとにそれぞれ特徴がある「花台」が見られます。現在、高知県立歴史民俗資料館の企画展『まつりの花、いのちの木』(~6月18日まで開催中)で展示されています。この花台について、他の地区との違いなどを専門家の人が詳しく説明しています。
※2 高知県内で「花台」と呼ばれるものには山車や屋形のような形のものもある。
●参考資料
・日高村「日高村史」1976年
・日高村「続日高村史」2013年
花台のイラストは令和4年度文化庁文化芸術振興費補助金(地域文化総合活用推進事業)により作成した文化財調査ワークショップ用地図のイラストの一部です。
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