このコーナーでは、何気ない日常で見つけた素敵なデザインを楽しみます。
▼地質と風景(1)
今回は、普段何気なく見ている日高村の風景を地質という切り口で見ていきたいと思います。
▽石積
重機での工事が、一般的でなかったころに作られた家の石積みなどは、周辺の山で採れる石を使っている場合がほとんどです。その石材の種類は、地質帯の影響を強く受け、四万十帯では主に砂岩が使われるなど、一つの市町村内の石積みの石材は、ほぼ同じ場合が一般的です。一方、日高村は砂岩や石灰岩、チャートなどの岩石が豊富な秩父塁帯(ちちぶるいたい)(※)の中に、蛇紋岩や4億年前以上前の古い岩石をともなう黒瀬川構造帯というとても珍しい地質帯が分布しているために、この小さい村の中にさまざまな種類の石積みがある大変珍しい場所です。
※水や風に運ばれた堆積岩からなる地域
•参考資料
・産総研地質調査総合センター「伊野地域の地質」2007年
・筒井ジェーン典子「追手前伝説」2022年リーブル出版
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