■村制70年の歴史をつないでこられた先達の方々の想いを次代につなぐ
▽祝 日高村誕生70周年
日高村長 松岡一宏
日高村村制施行70周年を迎えるにあたり、日高村を代表しご挨拶を申し上げます。
昭和29年10月15日に日下村、能津村、加茂村の一部が合併し「日高村」として歩みを始め、今年で70周年を迎えます。今日までの村の発展にご尽力いただきました数えきれないほどの関係者の方々をはじめ、何より、村民の方々一人一人に心より感謝を申し上げます。
日高村の歴史は、「水との闘いの歴史」と言われるほど、過去からの水害の歴史が地域に刻まれております。昭和50年・51年の連年台風では、村史始まって以来の浸水被害を受け、特に昭和50年の台風5号では土砂災害等により、25名もの尊い命が犠牲となりました。平成26年の2週連続の台風では、人命への被害はありませんでしたが、109戸もの家屋への床上浸水被害や、JRや国道33号の通行止めなど、甚大な浸水被害に見舞われました。
このような状況の中、多くの関係者の皆さん・国・県のご尽力により、神母樋門、日下川・戸梶川調整池、派川日下川放水路、日下川放水路、そして、令和6年3月に新日下川放水路の完成にいたる、他に類を見ない圧倒的な治水施設の整備につながりました。改めまして、村民を代表しまして心より感謝申し上げます。
全国に先駆けての住民運動が活発となった、産業廃棄物処理施設設置に関する住民投票の時期や、いわゆる平成の合併といわれた頃に住民投票による合併の是非を問うた時期など、村を二分するような状況や、村自体の存続を議論するような状況を乗り越え、村制70年という節目を迎えることとなりました。
現在日高村では、特産のトマトを使ったオムライス街道や、脱炭素への取り組みとして2050カーボンニュートラル宣言、日本で初めてスマホ普及率100%を目指すデジタル化の取り組みや、国道33号の渋滞対策としての高知松山自動車道いの〜越知間の延伸、関係人口を創出し移住へつなげる取り組み、清流仁淀川を生かした観光、圧倒的な治水施設を観光につなげる「インフラツーリズム」の取り組みなど、水との闘いを乗り越えた新たなステージに立っているといえます。日下川流域が特定都市河川の指定により、日高村では新たに、「治水」と「まちづくり」の両輪を一体的に取り組む「流域治水まちづくり」を展開することで、新しい時代に応じた日高村を創出したいと考えるところでございます。
村制70年の歴史をつないでこられた先達の方々の想いをしっかりと次代につなぐことを宣言するとともに、関係者の皆さん、村民の皆さんのますますのご健勝とご多幸をご祈念申し上げましてご挨拶とさせていただきます。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>