あけましておめでとうございます。令和7年(2025年)を迎え、謹んでごあいさつ申し上げます。
また、昨年中は町政全般に対してご理解ご協力をいただき深く感謝申し上げます。
さて、昨年を振り返りますと、元日に「能登半島地震」が発生しました。多くの皆様方は、ご家族での団らんを楽しまれ、このニュース映像が流れた際はさぞ驚かれたことと存じます。そして、追い打ちをかけるように9月には「能登半島豪雨」が発生いたしました。改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福と被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
また、私たちの身近でも、4月に「豊後水道地震」、8月8日には「日向沖地震」が発生しました。さらに、気象庁からは「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が初めて発令されました。このように、自然災害の脅威を改めて実感させられた2024年でした。私が思い起こしたのは、高知県出身の物理学者であり防災学者であった寺田寅彦氏の言葉、「天災は忘れた頃にやってくる」です。この言葉は、災害を忘れず、日々の備えを怠らないよう促すものです。町民の皆さまには、備えをしっかり行い、命を守る準備を心がけていただきたいと存じます。
併せて私たちが直面する人口減少という課題に対応するためには、自然豊かな越知町の魅力をさらに高め、「住みたい」「住み続けたい」と思っていただける町づくりを進めることが欠かせません。そのため、本年は移住・定住促進の取り組みをさらに強化してまいります。移住希望者への情報提供や支援体制の充実、子育て世代や働く世代が暮らしやすい環境整備、地域で活躍するシニア世代の支援など、多様なニーズに応える政策を進めてまいります。
一昨年放送されたNHK連続テレビ小説『らんまん』による“らんまん効果”は、横倉山や仁淀川を訪れる多くの観光客を呼びました。そして本年は、新たな連続テレビ小説『あんぱん』が放送されます。この作品では、アンパンマンの作者であり高知県出身の「やなせたかし」さんと、その妻小松暢さんの生涯が描かれ、高知県の風景や文化が再び全国の注目を集めることでしょう。『あんぱん』を通じた観光や文化振興のさらなる発展に、大きな期待を寄せております。
昨年のもう一つの明るい話題は、パリオリンピックでの高知県出身選手の活躍です。中でも、レスリング競技において櫻井つぐみ選手と清岡幸大郎選手がそれぞれ金メダルを獲得されたことは、高知県出身の選手では92年ぶりの快挙であり、また、パラリンピック車いすラグビーで、池透暢選手が悲願の金メダルを獲得され、県民全体の誇りとなりました。この歴史的な成果は、地域の子どもたちに大きな夢と希望を与え、私たちに「挑戦する力」の重要性を再認識させてくれました。
明るい話題の一方で、昨年も国際社会は多くの課題に直面しました。ウクライナ情勢はいまだ解決の糸口が見えず、中東では深刻な紛争が続いています。戦争や暴力により多くの命が奪われる状況が続く中、改めて平和の重要性を強く感じる一年でした。こうした中、日本原水爆被害者団体協議会が核廃絶への長年の貢献を評価され、ノーベル平和賞を受賞されたことは、日本だけでなく世界にとっても希望の象徴でありました。この偉業に深い敬意を表するとともに、越知町としても平和の尊さを次世代に語り継ぐ役割を果たしてまいりたいと存じます。
これからも、子どもたちが夢を描き、それを実現できる環境づくりを進めるとともに、自然豊かな越知町の魅力を活かした移住・定住促進政策をさらに推進してまいります。子育て支援や教育環境の充実を図り、すべての世代が安心して暮らせる町づくりを目指してまい進してまいります。
結びに、町民の皆さまお一人お一人にとりまして、本年が健康で幸多き一年となりますよう心よりご祈念申し上げます。
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