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【特集】移住って、どがな?~倉吉への移住を考える~(1)

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鳥取県倉吉市

都会から地方への移住を考える人が増えています。令和4年度の市への移住者は211世帯で平成30年度の約1.5倍となりました。市では移住後も安心して暮らしてもらえるよう、住まい・仕事探しなど移住者をサポートするための取り組みを進めています。
特集では移住してきた人のお話や市の制度を紹介し、移住者にも市民にも暮らしやすい魅力のある地域について考えます。

◆自然豊かな環境にひかれて
移住者インタビュー 本田知典(とものり)さん・淳子(あつこ)さん

◇「暮らしは選べる」と伝えたくて
私(淳子さん)が京都の郊外で草木染の手伝いの仕事をしていたとき、汗をかいたあとに食べる食事はシンプルでもとてもおいしかったんです。「食べるもので体はできている」と感じ、土に近いところで自分たちが食べるものを作って暮らすような生活を子どもたちに見せたいなと思いました。
自然が好きな子どもたちと共に緑豊かな環境で過ごしたいという思いもあり、「暮らしは自分で変えられる、選べる」ということを子どもに伝えたくて、移住を真剣に考えるようになりました。

◇ここで暮らすイメージができた
最初から移住先の当てがあったわけではなく、移住をテーマにしたメディアを参考に四国へ見学に行ったこともあります。近畿に住んでいる両親のもとへ帰省できる距離感や、都市と自然のバランス、利便性などを考えて候補を絞っていきました。
倉吉市を移住先として意識したのは、大阪で開催されていた「鳥取来楽暮(こらぼ)カフェ」がきっかけです。
移住相談員さんと何度かお話しさせていただいたり、子どもたちを連れて市の民家に泊まらせていただいたりして、じっくり考えました。同じ子育て世代の人とお話しできて、ここで暮らしていくイメージが持てたこともあり、倉吉市への移住を決めました。

◇あるもので、あるがままの暮らし
以前暮らしていた場所はコンビニまで徒歩2分の便利な場所で、夜中にコンビニに出かけることもありました。今は深夜まで開いているお店が近くにはあまりなく、良い意味であきらめがついたというか、力が抜けたというか。家にあるものでなんとかしよう、という気持ちになります。
朝、鳥の鳴く声が聞こえるような自然の豊かさは魅力ですね。
生活費などは以前と比べてあまり変わっていません。家賃は下がったけれど、車を以前よりたくさん使うようになったり、光熱費が増えたりと、移住してからかかるようになったお金もあります。
移住前と大きく変わったのは、近所の方とのコミュニケーションが増えたことでしょうか。帰宅すると玄関の前に新鮮な野菜が置いてあって、置き方や野菜の種類を見て「ああ、近所の○○さんがくださったのかな」と見当をつけてお礼をする、みたいな。(笑)
移住前はそれほどご近所の方と交流がなかったので戸惑うこともありますが、「郷に入っては郷に従え」の気持ちで楽しんでいます。

◇「お試し」期間があったら嬉しい
移住の際に、「地域の実情」を事前に知ることができたらいいなと感じました。数回訪れただけでは「この住所だとどこの小学校に通うのかな」とか、「ここはスクールバスが来ているけど、別の場所だと歩いて通える学校がある」など子育て世代にとってはとても気になる情報がわからないんです。
いきなり移住ではなく、お試しで家を借り、しばらく暮らしてみて地域の雰囲気や実情を感じられるような機会や制度があったらもっといいなと思います。

◇カフェにやりがいを感じて
カフェの経営は大変ではありますが、やりがいもあります。一度いらっしゃったお客様が季節メニューを食べに再訪してくださると、とてもうれしいです。
自宅の納屋を改装してコーヒー豆の焙煎所(ばいせんじょ)にしようと考えていたのですが、今はカフェの仕事に一生懸命で停滞中。友人の手も借りて良い雰囲気の内装になっているので、余裕ができたら引き続きチャレンジしてみたいです。

◆しごと定住促進課に聞きました 「自然」と「安心」が倉吉の魅力
◇移住者にとっての魅力とは
移住を考えている人とお話しすると、
「都会での暮らしから環境を変え、豊かな自然に囲まれて暮らしたい」
「今よりも安く、広く快適な空間で暮らしたい」
「豊かな自然の中で、のびのびと子育てをしたい」
という希望をよく聞きます。
そうした人たちにとって、名水や名湯、山に囲まれて豊かな自然を感じながらのびのびと暮らすことができる倉吉市は魅力的な移住候補になっています。地元の食材が手に入り、採れたてで栄養価が高い野菜を気軽に購入できることや、都会より広い家を持ちやすいことも魅力の一つです。
また、待機児童が少ないことや犯罪の件数が少ないといった「安心度」は高く評価されており、2023年には「住みよさランキング」(東洋経済新報社)で全国総合8位、「住みたい田舎ベストランキング」(宝島社)の中国地方総合部門で第2位を獲得しました。

◇都会とは違うところも
しかし、不便な点や田舎ならではの悩みもあります。
都会に比べて公共交通機関の本数が少ないため、自家用車は必要です。
また、自然が豊かな反面、冬は降雪が多く冬用タイヤや雪かき用具の備えは必要ですし、家に虫が出ることもしばしば。
求人数は都会と比べて少ないですが、職種を選ばなければ仕事はあります。
また、移住後に「近所のコミュニティや人間関係がとても密だ」とおっしゃる人もいますが、お互い信頼関係を築くことで暮らしやすくなると思います。

◇移住支援の取り組み
しごと定住促進課では、移住を希望する人への支援を積極的に行っています。
今までの住宅購入などの支援に加えて、今年度から若年層への奨励金や奨学金返還支援、結婚新生活応援支援金など、移住者への支援内容を拡充しました。(詳細は本紙5ページ)
また、生活での困りごとや悩みなどを移住者同士で共有・解決するための場所として「移住者交流会」の開催を支援し、移住後の生活のフォローを行っています。
また、移住を検討中の人に向けたオーダーメイド型のガイドツアーも行っています。「市への移住希望はあるけれど、現地の暮らしの様子が分からないから一歩を踏み出せない」という移住希望者のお悩みを解決するため、市内の施設を案内したり、お試し住宅に泊まって市での生活を体験してもらったりしています。

「豊かな自然」「生活のしやすさ」「子育て支援の充実」など、移住を検討する人が魅力に感じる要素は地元の人にとっても魅力的です。一方、昔から市に暮らしていると当たり前に感じる「降雪の多さ」や「近所・地域の人との密接な関わり」を移住して初めて実感する人も。
昔から住んでいる人・移住してきた人がお互い心地よく暮らすためには、積極的にコミュニケーションをとることも必要です。移住に興味を持っている人が身近にいたら、ぜひ皆さんが考える倉吉の魅力と、実際の暮らしについて話してみてください。

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