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南部町のいきものたち(196)

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鳥取県南部町

■ハラアカコブカミキリ
◇急速拡大!国内移入種!
対馬の生き物ハラアカコブカミキリ。私たち夫婦が初めてその甲虫を目にしたのは、2022年5月10日鳥取市のことでした。背中に2対の黒い毛の束があり、腹面の鮮やかな赤い模様が目立つ虫です。この昆虫は2016年に鳥取市で発見されたのが県内初確認となり、その後急速に分布が拡大しています。私たちはその時捕獲したハラアカコブカミキリを標本にするために持ち帰りました。すると、なんと翌日の5月11日にお隣のYくんが、桐原家正面の路上で同じカミキリ虫を発見したのです。私は慌てて、前日に鳥取市から持ち帰った個体が逃げ出したのかと飼育ケースを確認したら、ちゃんと容器の中にいました。ということは、家の外で見つかった方は、我が家の車にくっついて鳥取市からやってきたのかもしれません。これが個人的に南部町初確認になったのですが、外来種なので増やしてはならないと、鴨部産ハラアカコブカミキリも標本にしています。

◇キナルなんぶでも発見
そして今年の5月17日のことでした。小学3年生のSちゃんが、「キナルのバス停のところに落ちてた!」と2匹のハラアカコブカミキリの死骸を見つけてきてくれました。夜にキナルの明かりに誘われて飛んできたのかもしれません。私たちにとって町内2例目。この様子だと、南部町内にも相当な数のハラアカコブカミキリが生息している可能性があります。

◇シイタケ栽培に危険信号
ハラアカコブカミキリは、大きさ1.5~3センチくらいで、お隣の島根県では1990年に西部で初めて見つかり、20年かけて東部まで広がりました。現在、西日本では既に普通種となっているようです。シイタケ栽培の原木に大きな害があるとされ、生産量の低下が懸念されています。もし見つけた場合は、増えないように捕まえて、終生飼育や標本にするなど、防除を意識した付き合い方が必要かもしれません。

自然観察指導員 桐原真希

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