南部町のいきものたち(202)

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■ハイイロチュウヒ
◇一富士二鷹三茄子
毎年1月号は、縁起の良いとされる「一富士二鷹三茄子」のタカの仲間をご紹介しようと、町内で確認された種類を調べ直しました。これまで14種類のタカ及びハヤブサ類の記録がありますが、これは日本産ワシタカ・ハヤブサ類の約半分くらいの数字です。しかし、彼らをテーマにした取材で、ばっちりしっかり画像として残すのは簡単ではありません。今回の冬鳥ハイイロチュウヒも手強い相手のひとつです。

◇目印は腰の白
大きさはカラスくらいで、開けた田園地帯やヨシ原を好んで利用します。飛ぶ姿は、チュウヒの仲間特有のスタイルに注目です。翼を浅いV字にして少ない羽ばたきの低空飛行がメインなので、他のタカと見分けることができます。灰色と名前がついていますが、タカ類では珍しく、美しい黒と灰色のコントラストを纏うのはオスだけ。メスと若いオスは、トビに似た茶色い体色をしています。そっくりさんのチュウヒと違う点は、腰の白さが目立つところです。しかし、南部町ではいまだにチュウヒを見たことがありません

◇英語でハリアー
英名「ヘン・ハリアー(Henharrier)」は、鶏の鳴き声に由来している説と、鶏を狩られてしまうという説の2つが情報として得られます。繁殖期以外あまり鳴かないとされているので、飼育小屋から離れて放し飼いされている鶏が捕食される場面の方が想像しやすいかもしれません。そしてハリアーは、乗り物に興味がある人は、トヨタの車を思い出される方もいらっしゃるかもですね。トヨタ公式サイトでも由来はチュウヒ属と明記されています。金色のエンブレムが印象的なデザインです。またアーノルド・シュワルツェネッガー主演映画「トゥルー・ライズ」で登場した垂直離着陸していた戦闘機もハリアー。鳥の飛び方を良くとらえた命名です。この冬も、南部町のどこかで野生のハリアーが飛んでいてくれればと思います。

自然観察指導員　桐原真希