■フランスに負けない日本創生を
みなさんはツール・ド・フランスをご存じでしょうか?世界最大の自転車レースで、観光大国フランスの農村地帯やピレネーの山岳地帯など美しい景観の中での3週間、3,600kmの自転車レースです。世界中に放送される映像はヘリコプターからの空撮を多用し、小さな教会を中心にした町並みや、山岳地帯にまで広がる美しい農村風景など、観光大国フランスの魅力を存分に発信する番組として視聴する方も多いと聞いています。
一方で日本では、地方を中心に人口減少が急激に進む中で、美しい国土を守り続けられるかが問われています。フランスにも勝るとも劣らぬ歴史や文化を蓄えた日本の地方が、今後20年、50年の時間経過の中で歴史文化の姿を「景観」として維持するためには、都市部と地方部の税制を含めた抜本的な制度改正が必要だと考えます。
南部町法勝寺にルーツをもつ世界的経済学者の宇沢弘文氏(1928-2014年)が世を去って今年で10年を迎えました。宇沢氏が提唱した「社会的共通資本」が近年再び注目されています。「社会的共通資本」とは、教育環境、公共インフラ、法律制度、地域コミュニティなど社会全体で共有される資源や資産のことで、これらを市場経済のうえで扱うべきではない。といった意味だと理解していますが、私が説明できるような経済理論ではないことはご推察の通りです。
さて、未来のある日、南部町上空から空撮映像が世界中に発信され、その映し出される美しい田園風景や町並み、日本文化に世界中が注目をする。そんな日本創生を鳥取から、南部町から起こす。そんな願いを皆さんと共有したいと思います。
南部町長 陶山清孝
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