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まちづくりに新しい風 ~外部人材と取り組む地域活性化~(2)

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鳥取県南部町

■新しい風×地域活性化起業人
○高際均(たかぎわひとし)さん(2021年10月~2024年3月)
在籍企業:元・ソフトバンク(株)、現・福島大学特任教授
南部町での役割:CIO(最高情報責任者)補佐官
※ソフトバンク(株)からの派遣終了後も、引き続き同役割で南部町のデジタル化推進を支援

○藤原貫太郎(ふじわらかんたろう)さん(2023年4月着任)
在籍企業:(株)ニコン日総プライム
南部町での役割:まちづくりマネージャー、なんぶ里山デザイン機構事務局長補佐

◆地域活性化起業人(企業人材派遣制度)とは
地域活性化起業人は、三大都市圏に所在する企業が、社員を地方自治体に一定期間派遣する、総務省の制度です。企業に籍を置きながら、社員が持つノウハウや知見を活かし、地域課題の解決に向けて地方自治体と企業が協力して地域活性化を図ります。

藤…藤原氏/陶…陶山町長/高…高際氏

地域活性化起業人としてまちづくりに尽力してきた高際さんと藤原さん。陶山町長との対談を通して、南部町への想いなどを語っていただきました。

◆民間企業で積み重ねた経験
高:私はKDDIやソフトバンクなど、インターネットの会社に在籍していました。企画部門、商品開発、営業部門では顧客企業のDX化などに従事しました。東日本大震災を契機に復興支援を担当、その後社会貢献部門に異動し、自治体や大学と連携し地域課題解決に向けた仕事に携わってきました。現在は福島大学でスマートシティの実証実験の研究をしています。

藤:メーカーや商社など3社で勤務してきました。中国で20年、タイで2年駐在しており、社会人の半分以上を海外で過ごしています。海外での商品販売や、責任者としてのマネジメントのノウハウを活かし、帰国後は販売企画部のサポートや顧客視点で物事を考えられる人材育成プロジェクトを担っていました

◆地域活性化起業人の力を活かす
陶:お2人の経験や知見は、私たちが何年かかって勉強しても追いつかない、そして経験できないことです。その経験値や知識、培われてきた人とのつながりなどの力をお借りするために着任いただきました。それをどう南部町に活かしていくかというところは、私たちの課題です。
高際さんのデジタルの力は、人口減少社会において、南部町がもっと力を入れていかなければならない課題であることは間違いありません。南部町で取り入れられるものはできるだけ早く取り入れて、住民の皆さんと一緒にデジタルの力を使っていきたいと思います。
それから、藤原さんのパワフルな〝商売の力〞、これは圧倒的に職員に足りない力です。今、外部から来られる方の力、企業との連携は絶対的に必要です。企業との繋がりをつくることによって、南部町の新たな展開が生まれると思っています。そこに藤原さんが培われた〝商売の力〞を借りたいですね。

◆これまでの取り組み
高:2年半前に着任し、町のデジタル化の計画を策定しました。広報のペーパーレス化やデマンドバスの支援、スマホ教室のデジタルリーダー育成、テノヒラ役場の導入などの支援や、会見第二小学校でプログラミングの授業もしました。

藤:昨年、こどもフェスタというイベントを開催しました。
南部町の子どもたちと町外の子どもたちとのふれあい、町内在住の外国の方との国際交流など、皆さんと一緒に創りあげていくイベントになったと思います。
なんぶ里山デザイン機構事務局長補佐としては、しごとコンビニ登録者を増やすための取り組みや、属人性の高かった仕事を職員が誰でも簡単に管理できる仕組みを導入するなど、インフラ整備をしています。
町が望む活力あるまちづくりのため、施策を推進する基礎づくりが出来ればと思っています。

◆これからのまちづくり
高:急激な発展はないでしょうし、人口も緩やかに減少していってしまうと思いますが、ここはホッとする景色が広がる良い町だと思います。南部町は山陰の中でも古墳の数が多い町だと聞きました。きっと昔から栄えてきた地域なので、ぜひ誇りを持って住める町のお手伝いをしていきたいと思います。
最近力を入れているのは、鳥取大学保健学科と連携した、健康増進の取り組みです。スマホ教室やまちの保健室と連携して町民の方が健康意識を強く持てるような活動にしていきたいと思います。

藤:私はビジネス視点で物事を捉えていくので、やっぱり何かでナンバーワンになっていただきたい。鳥取県でも山陰でも、何かでナンバーワンになることが大事だと思います。そして、その数を増やしていく。そうすると誇りも出てきますしモチベーションも上がってきます。町民の皆さんの笑顔も増えると思うので、ぜひ実現していただきたいですし、お手伝いが出来たらと思います。

陶:日頃南部町で暮らしていては気づかないようなことを、お2人を通じて、その視点を取り入れること。その取り入れたものをどの方向に伸ばしていくべきなのか、2人のお話を聞きながら職員が考えることが大事だろうと思っています。
デジタルにしても、行政の多様な住民サービスにしても、住民の皆さんに取り入れていただかなければ、幸せ度や暮らし向きが良くならなければ行政サービスにはなりません。ぜひ住民の皆さんが幸せになれるよう、そして健康で豊かさを実感できるような町にするために、これからもお力を借りたいと思います。よろしくお願いします。

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