■アオダイショウ
○今年は巳年!
お嫌いな方、本当にごめんなさい。干支にちなんだ生き物として、今回初めてヘビをご紹介いたします。実は、ヘビが苦手なのは人間だけではなく、サルの仲間の多くが、生まれつきヘビを拒絶することが様々な実験で分かっています。何百万年と天敵関係であり、より素早く危険なものと判定する能力が先天的に備わっていると考えられています。私もロープや水道ホースのような長いものが、ふいに視界に入るとドキッとすることもありますが、今はすっかりヘビ好きになってしまいました。
○南部町は7種類!
町内では、アオダイショウ、シマヘビ、ジムグリ、シロマダラ、ニホンマムシ、ヒバカリ、ヤマカガシの7種類が確認されています。毒蛇はマムシとヤマカガシですが、どのヘビも口の中に病原体が潜んでいることがありますので、無毒だからと不用意に触って噛まれないよう注意が必要です。それぞれ種類ごとにお好みの食べ物が違い、シマヘビやヤマカガシはカエルの仲間が好物、シロマダラはトカゲやカナヘビの赤ちゃんを好み、ヒバカリは小魚やおたまじゃくしをよく狙います。特に今回のアオダイショウは、作物の害になるネズミを捕まえることから、田畑を守る神様として大事にする文化も残っています。
○8種類目捜索中!
8種類目のヘビ、タカチホヘビを探しています。小さいヘビで頭が虹色に光り、背中に1本の黒い線があります。森が好きなヘビで夜行性ゆえなかなか出会えないのです。私自身、これまで県外にて1回しか見たことがありません。白いヘビと共に町内産の生きた姿をいつか取材したい種類です。ちなみに、国の天然記念物指定の「岩国の白ヘビ」はアオダイショウのアルビノ個体です。他のヘビも色素欠乏や色素変異で白色個体が現れます。そう言えば、ヘビの抜け殻をお財布に入れるとお金持ちになれるという言い伝えを聞いたことがある方もおいでではないでしょうか。我が家には拾ったヘビの抜け殻が色々ありますが、ラベル不明の標本にならないものもあるので、巳年の本年、お試し活用として財布に入れて金運と蛇運アップを狙ってみたいと思います。
自然観察指導員 桐原真希
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