■耐震補強を検討ください
1995年1月17日、テレビ画面に映し出された燃える神戸の街、橋脚の折れた阪神高速の映像に言葉を失った記憶。当時参加した避難所運営ボランティアで、仲間と一晩中火を焚いて大鍋で湯を沸かし続けた長田の光景と焼け跡の匂いが蘇ってきます。この地震で6,437名の尊い命が失われました。
震度7以上の地震はその後も続きます。2004年新潟県中越地震、死者68名。2011年東日本大震災、死者・行方不明者2万2,325名。2016年熊本地震では4月14日と16日の二度、震度7、死者273名。2018年北海道胆振東部地震、死者43名。そして、昨年2024年元日の能登半島地震(※)、死者228名(関連死261名)。この30年間で震度7以上の地震が6地域で7回も起こりました。地震列島日本に暮らす私たちは、これまでの地震災害に学び、そして備えなければなりません。
阪神淡路大震災を契機に新築住宅の耐震化が進みましたが、一方で能登半島地震にみられるように、2007年の震度6強では倒壊を免れた木造住宅がこの度の震度7で倒壊した姿に、同じ雪国で2000年に起こった鳥取西部地震(震度6弱)を経験した私たちにとっても他人ごとではないと痛感させられました。
南部町では新年度、住宅の耐震補強を低負担でおこなう方法を検討しています。住まいの中でも、寝室や居間など普段の生活の場に限定し、部屋単位でつぶれないように補強することで地震に備えるものです。
阪神淡路大震災から30年、そして復旧復興最中の能登に想いを寄せながら、新年度予算編成仕上げの2月を迎えました。
南部町長 陶山清孝
※出典…内閣府「令和6年能登半島地震による被害状況等について(令和6年12月24日現在)」
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