■人とモノをつなげてコトにする
本年1月、一般社団法人南さいはくが令和6年度中国四国農政局「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」地方奨励賞を受賞されました。南さいはくの活動拠点である上長田、東長田地域は江戸から明治初頭にたたら製鉄で栄えた一帯で、地名や神社仏閣などにその賑わいがうかがえます。組織の原型は平成20年にうど等を特産品にすることを掛け声に誕生し、令和3年には法人組織化することで加工品を通じた地域づくり、関係人口づくりに積極的に取り組まれています。主力商品はうど、ゆず、梅を使った羊羹をはじめ、カリカリ梅やエゴマ油などを直売所等で販売され、人気があります。梅は南部町内各地から約800kgを集められるそうですが、昨年は不作でご苦労されたと笑顔で話される足谷代表と井上理事からは、地域を守るという強い信念を感じました。
続く2月には、大阪から始まる”地域課題解決型コラボレーション”して南部町農業委員会を中心に取り組んできた「ローゼルプロジェクト」の発表会が大阪梅田の「chano-ma茶屋町」で盛大に開催されました。これは南部町内で増えてきた耕作放棄地の課題解決の一方策として、株式会社DDグループの子会社である株式会社ダイヤモンドダイニングとのコラボで誕生した企画です。詳しくは今月号の特集記事をご覧ください。
この2つの事例はいずれも人のつながりをモノ(商品)・コト(体験)を通じて大切にする発想が共通しています。つながりを大切にした変化と挑戦を繰り返すことで人と地域が育っていくことを実感した出来事でした。
南部町長 陶山清孝
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