■「さかな」「鬼太郎」「港」を生かしたまちづくり
◆観光振興
水木しげるロードにつきましては、昨年の年間入込客数が4年ぶりに150万人を突破し、順調に賑わいが回復しています。
さらに、映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」の大ヒットにより、新たなファンも増えており、こうした好機を逃すことなく「さかなと鬼太郎のまち境港市」の魅力を全国に発信し、地域一丸となって誘客促進に取り組んでまいります。
本年度制作した平和学習プログラム「水木しげるが見た戦場〜どんなにつらくても、己の道を進む〜」は、水木しげる先生の戦争体験をもとにした平和の大切さを知ることができる動画コンテンツとなっており、教育旅行の誘致や市内小中学校の校外学習などで活用することとしています。
「水木しげる記念館」につきましては、4月20日に待望のリニューアルオープンを迎えます。新しい記念館は、水木先生の波乱万丈な人生を追体験しながら、「漫画作品」はもとより「妖怪」や「戦争体験」など、多様なテーマで先生の魅力を感じることができるほか、計画的に原画など貴重な資料の展示もされることから、国内外からの観光客とともに市民の皆様にも、ぜひご来館いただきたいと考えております。
空の玄関口である米子鬼太郎空港においては、昨年10月に運航を再開したソウル便の利用率が1月末時点で89%と好調に推移しており、香港便についても、昨年12月から約2カ月間の季節限定運航が実施され、通年運航の再開に向け一歩前進しました。
10月に就航60周年を迎える羽田便では、夏ダイヤにおいて、機材の大型化により座席数が増加するなど、利便性の向上が図られます。
海の玄関口である境港におきましては、本年は、昨年を上回る30回以上のクルーズ船の寄港が見込まれているほか、7月には、日韓定期貨客船の就航が予定されるなど、インバウンドの本格化に向けた期待が高まっています。
鳥取県や境港管理組合、中海・宍道湖・大山圏域観光局など関係機関と連携し、さらなる誘客を図っていくとともに、アウトバウンドの利用促進についても、しっかりと取り組んでまいります。
◆農業振興
本市の基幹作物である白ねぎにつきましては、本年度、米子市と共同で、西日本一の白ねぎ産地を目指す「弓浜地区白ねぎ産地の生産振興プラン」を策定しました。
令和6年度は、本プランに基づき、収穫・出荷作業の効率化や作業の負担軽減を図るための機械導入のほか、新規就農者の支援体制充実に向けた「白ねぎ学校」の開設や「新規就農サポーター」の設置など、生産者・鳥取西部農業協同組合・行政が一丸となって、取り組みを進めてまいります。
弓浜干拓地の営農基盤の強化につきましては、令和4年度から、中海干拓地営農組合が行う輪作営農や排水改善・耕作条件改善などの取り組みに対して支援を行っており、令和6年度は、引き続き、ほ場の石れき除去や緑肥栽培などを実施してまいります。
荒廃農地対策につきましては、バイオマス発電の燃料として利用可能な早生樹の栽培について検討を進めるため、余子地区の遊休農地で、試験栽培に取り組み、栽培コストや生育状況などについて検証してまいります。
◆水産業振興
水産業につきましては、境漁港における令和5年の水揚量が、前年比14・4%増の12万トン余で、6年ぶりに12万トンを上回り、全国第3位となりました。
水揚金額は、前年比13・1%増の245億円余となり、27年ぶりに240億円を上回り、全国第5位となりました。
境漁港の高度衛生管理型漁港・市場整備につきましては、昨年9月、国内唯一のベニズワイガニ漁専用の上屋である「かにかご上屋」が供用開始されました。今後、7号上屋、8号上屋、冷凍・冷蔵倉庫が整備され、令和7年度に全体の整備が完了する予定となっております。
引き続き、鳥取県や水産業界とともに、水産物の「処理」「加工」「温度管理」の充実を図り、おいしくて品質の良い「産地境港」のさかなを国内外に届けてまいります。
また、養殖事業者が、事業の効率化や生産量の増大に向け、機械設備を整備する取り組みを鳥取県とともに支援し、水産物の安定供給と境港ブランドの育成を推進します。
中海・宍道湖・大山圏域市長会においては、令和4年10月に締結した台湾・台北市との交流促進覚書に基づき、産業・経済分野における連携・協力を図ることとしており、2月に設立した「中海・宍道湖・大山圏域台湾交流事業実行委員会」において、実効性のある取り組みを推進していくこととしております。
また、本市では、台湾からバイヤーを招聘し、水産加工品を製造する企業との商談会を実施し、圏域と台北市との交流を促進するとともに、地域経済の活性化を図ってまいります。
◆港湾整備
外港昭和南地区につきましては、昨年7月に2基目のガントリークレーンが供用開始され、港湾機能の強化が図られました。
一方、神戸港との国際フィーダー航路が好調なことや、バイオマス燃料の輸入増加などにより、岸壁が混みあう状況が、依然として続いており、国に対し、新たなコンテナ岸壁の整備を要望しているところであります。
国においては、本年度「事業化検証調査」を行い、事業採択の検討を進めていますが、引き続き、中海・宍道湖・大山圏域の行政、議会、経済界と連携し、早期の事業化を強く求めてまいります。
◆圏域の連携
中海・宍道湖・大山圏域が「あたかも一つのまち」として発展していくためには、圏域内の自治体がこれまで以上に連携を深め、各自治体が持つ様々な優位性を最大限に発揮することが重要であります。
そのためには、圏域内を結ぶ高規格道路網の整備が必要であることから、圏域の自治体や経済界等が一丸となって、「米子・境港間の高規格道路」などの早期実現に向けた取り組みを進めています。
令和6年度も、「中海・宍道湖8の字ルート整備推進会議」や「中国横断自動車道岡山米子線(蒜山IC〜境港間)整備促進期成同盟会」において、早期事業化を国に強く働きかけていくとともに、広報活動やイベントの開催などを通じて圏域内の気運醸成を図ってまいります。
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