令和6年 年頭のごあいさつ

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岩美町長　長戸　清

あけましておめでとうございます。
令和6年の輝かしい新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昭和29年7月1日に当時の9町村の合併により誕生した岩美町は、本年、町制施行70周年を迎えます。これまで本町の礎を築き、その発展にご尽力された諸先輩方の功績に改めて敬意を表します。この記念すべき年を町民の皆様と共にお祝いし、更なる飛躍に繋げていくため記念事業を実施したいと考えております。
地域のうれしい話題として、昨年3月に山陰近畿自動車道の一部を成す「岩美道路」3.8kmが全線開通をいたしました。町民の皆様の利便性の向上とともに、山陰海岸ジオパークのエリアをカバーする「ジオパークロード」として広域観光の推進において重要な道路であり、交流人口の増加や地域の発展に活かしていきたいと考えております。また、岩美高校の女子バレーボール部が県大会を勝ち抜き「全国春高バレー」に出場します。今月4日の対戦では、日頃の練習の成果が十分に発揮されるよう期待しております。
経済面においては、不安定な国際情勢を要因にエネルギー価格など物価高騰が続いております。これまで、事業活動や生活への影響を緩和するため支援金の交付やクーポン券の発行などを行いましたが、引き続き、関係機関と連携し、適宜対応してまいります。
それでは、年頭にあたり、主要な施策についていくつか述べさせていただきます。

●子育て支援について
昨年4月に、子育て施策の充実と子育て世帯が相談しやすい環境を整えるため「子ども未来課」を新設しました。今年は「第3期岩美町子ども・子育て支援事業計画」の策定に向けた準備を進め、子どもを安心して産み育てることができるよう、ニーズに応じて妊娠から出産、子育てまできめ細かく切れ目のない支援が行えるよう取り組んでまいります。
また、子どもたちが実践的な英語力を身に付けられるよう、学校の授業だけでなく、日頃から英語に触れる機会を多く持てる取り組みを進めます。

●観光振興について
2022年の審査で2年間の条件付き再認定となったユネスコ世界ジオパークネットワークによる山陰海岸ジオパークの再認定審査が2024年に実施されます。山陰海岸ジオパーク推進協議会をはじめ関係機関との連携を深め、再認定に向けて取り組んでまいります。
また、2025大阪関西万博を契機に増加が見込まれるインバウンド(外国人旅行客)の対応として、岩美町観光協会や麒麟のまち圏域の自治体などと連携して受入態勢の整備を進めるとともに、SNSなどによる効果的な情報発信に取り組みます。

●交流の推進について
1987年から児童交流を続けてきた沖縄県国頭村と昨年7月に姉妹都市盟約を締結し、両町村の発展のため多方面において連携していくこととしました。併せて、道の駅きなんせ岩美においても、国頭村及び茨城県境町の道の駅と連携協定が結ばれており、これらの取り組みで一体となって更なる交流の拡大を目指してまいります。
また、2028年のロサンゼルスオリンピックから正式種目として採用が決まった海上で行われるボート競技である「コースタルローイング」の大会を本町の海岸で開催し、岩美町を代表する新たなスポーツとして定着させたいと考えております。

●買い物支援と公共交通政策について
町内に2店舗あったスーパーマーケットのうち1店舗が昨年9月末をもって閉店しました。移動販売車の継続要請や町営バスの買い物便を増便するなどの対応を行ってきましたが、引き続き、関係機関と連携しながら買い物環境の確保に努めてまいります。
公共交通政策では、昨年10月に町営バスの運賃を改定し1乗車100円としました。また、民間路線バスの定期券、回数券を購入された方に対して助成制度を設け、バス利用者の負担の軽減を図っております。公共交通を取り巻く環境は利用者の減少やドライバー不足など、依然、厳しい状況でありますが、新たに開始した取り組みを検証し、岩美町の特性や状況に沿った持続可能な公共交通体系の構築を進めてまいります。

●病院事業について
岩美病院は、現在の場所に移転して20年を迎えます。地域住民の命と健康と生活を守り、「保健・医療・福祉活動の拠点としてまちづくりに貢献する」ことを基本方針として経営強化プランを策定し、住み慣れたまちで、いつまでもその人らしく暮らすことができるよう関係機関との連携を一層強化し、地域の病院としての役割を果たしてまいります。

結びになりますが、私が町長に就任してから2年余りが経過いたしました。任期の折り返しを迎え、第11次岩美町総合計画に掲げる将来像「みんなが笑顔で住み続けたくなるまち」の実現に向け、改めて気を引き締めて町政を進めてまいります。
町民の皆様のより一層のお力添えをいただきますようお願いいたしますとともに、ご多幸とご健康をお祈り申し上げ、年頭にあたってのご挨拶といたします。