■人・農地プランから地域計画へ
これまで、地域農業の将来の担い手は誰なのか、その数は足りているのか、遊休農地の発生をどうやって防ぎ、地域の農地をどう守っていくのかといったことを集落や地域で話し合い、その結果を「人・農地プラン」としてとりまとめてきました。
本町では、令和5年度までに17集落で人・農地プランが策定されましたが、令和5年4月の農業経営基盤強化促進法の改正により、市町村は令和7年3月末までに、市街化区域を除くすべての区域を対象として、人・農地プランに代わる『地域計画』を策定することが義務づけられました。
■地域計画の策定にあたり
地域計画は、地域住民と、町や県、JA、農業委員会などの関係機関が集まり、話し合いを行ったうえで、目指すべき将来の農地利用の姿を明確化するものです。
中山間地域における人・農地に関する現状は厳しく、今後ますます深刻化していくことが予想される中であっても、農地が荒れ、地域が廃れていくのは仕方がないことだと、ただ見ているわけにもいきません。
地域計画の策定にあたり、本町では、地域計画は集落単位で、農林業センサスの調査区域をベースとした65区域で策定することとしました。
同じ町の中であっても、地域や集落の状況は千差万別です。地域計画の策定を機会として話し合いを行い、それぞれに合った取組を進めていく必要があります。
▽地域計画で明確化すること
(1)地域農業の現状と課題
(2)地域農業の将来のあり方
(3)将来のあり方に向けた取組方針+区域内の農用地等の10年後の姿(目標地図)
▽地域計画と人・農地プランの違い
・地域計画
内容:地域総力戦での地域農業の将来のあり方
策定:町(地域との話し合いによる合意が必要)
・人・農地プラン
内容:地域内で中心となる農業者への農地集積の将来方針
策定:集落(町が認定)
■集落座談会・地区座談会を開催
地域計画の策定を進めるうえで、地域住民と関係者が話し合いを行うための「協議の場」を設置することが求められています。
令和6年度の初めは、希望のあった集落で座談会を開催し、ワークショップ形式で計画への記載内容や目標地図の確認などを行ってきましたが、策定完了までの残された期間を考慮して、10~11月にかけて地区ごとに座談会を開催し、その結果をもとに、計画を策定することとしました。
地域計画の策定は、農地のこと、農業のこれからのことを集落・地域内で継続的に話し合っていくための手段であり、本来であれば座談会は、集落ごとに開催すべきものと考えます。
このことから、集落座談会は、策定後も積極的に開催していく予定です。(下記お知らせ(2)参照)
▽参加者の意見
農地や景観をどのように守っていくのか、これからも地域での話し合いを続けていきたい。
地域計画が話し合いのきっかけになって、みんなの思いを聞くことができてよかった。
一人ひとりが、それぞれできることを担って、みんなで農地や農村環境を守っていけたらいいと思う。
■お知らせ(1)
▽4月から農地を貸し借りする際の手続きが変わります
これまで、農地の貸借は、当事者間の同意に基づくものと農地中間管理機構(農地バンク)を通じたものの、いずれかの方法で行われていましたが、4月以降は、地域計画の目標地図の実現に向けた取組として、農地バンクによる貸借に一本化されます。
詳しくは、次号でお知らせします。
■お知らせ(2)
▽集落座談会を開催します
策定した地域計画の内容を地域の皆さんと確認・共有し、必要に応じて修正などを行いながら、農地や農村環境を守る取組をさらに進めていくための機会として、4月から順次、集落座談会を開催する予定です。
開催時期などは、集落ごとに改めてお知らせしますので、多くの参加をお願いします。
問合せ先:役場山村再生課
【電話】75-3117
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