監修:江府町立図書館館長 宇田川 恵理
こんにちは!江府町立図書館の宇田川です。江府町立図書館の本棚にある、ちょっと気になる「こんな本」を、紹介していきたいと思います!
■『昭和のくらしと道具図鑑 衣食住から年中行事まで』
昭和のくらし博物館館長 小泉和子編著(河出書房新社)
この図鑑は、東京都大田区「昭和のくらし博物館」として公開されている小泉家住宅の建物や、生活用品を紹介したものです。小泉家住宅は昭和26年に建てられており、戦後急激に生活様式が変化する以前の、一般家庭の生活の様子がわかる内容となっています。
家の外観から始まり、各部屋の構造や調度品、使われている道具にいたるまで、豊富な写真と細かな説明が書かれており、思わず見入ってしまいました。長かった昭和という時代は、明治・大正の和風が主であった暮らしに、洋風な暮らしが普及し、庶民の暮らしが大きく変化した時代でした。私の子供時代をとってみても、家には冷蔵庫どころか電話もありませんでした。この本を見ていると、当時の家の様子や、母や祖母が家事をしていた光景などがよみがえってきます。小泉家は東京の街中の家ですので、田舎の農家とはいろいろ違う点もありますが、生活の変化が緩やかだった地方では、かなり後まで残っていた生活用具ものっており、なんとも懐かしい気持ちになります。大人にはノスタルジーを誘う1冊であるかもしれませんし、若い世代には昔の日本を垣間見ることのできる1冊と言えるのではないでしょうか。
◎昔の様子が垣間見れて面白い!
宇田川館長
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