日野郡鳥獣被害対策協議会
川野 風花
今年は、東北・北陸地方を中心にクマの出没件数が多くなっています。その影響から、以前は山仕事をする限られた人のみが購入していた『クマよけスプレー』が一般の人にも売れているようです。
簡単に購入でき、簡単に使用できるクマよけスプレーですが、取り扱いには注意が必要なグッズですので注意点を紹介したいと思います。
まず、クマよけスプレーは、虫よけスプレーのようにクマを寄せないようにするものではありません。クマから攻撃を受けそうな緊急時に使用し、噴射される辛さ成分でクマをひるませるものです。
この辛さ成分ですが、対人間用催涙スプレーの約230倍の強さです。
噴射距離は7m程度で、メーカーや風向きによってかなり変動します。風下でスプレーを使用した場合、噴射距離も短くなり、かなり強力な辛い成分が自分にもかかるので注意が必要です。
クマよけスプレーの効果を十分に発揮するためには、かなりの至近距離までクマを引き付ける必要があるのです。そのため、とっさの場面で使用できるように取り出しやすい位置で携帯し、すぐに構えられるような練習も必要です。
このようにクマよけスプレーは、クマからの攻撃を回避する手段としては有効なグッズですが、効果を十分に発揮させるにはスプレーの最大噴射距離の理解や、とっさに構える練習など実際の使用を想定した事前準備が必要になります。
このように、クマよけスプレーは緊急時の最終手段ですので、まずはクマと出会わない対策を整えたいものですね…
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