監修:江府町立図書館館長 宇田川 恵理
こんにちは!江府町立図書館の宇田川です。江府町立図書館の本棚にある、ちょっと気になる「こんな本」を、紹介していきたいと思います!
■『地球上の中華料理店をめぐる冒険』
関卓中著(講談社)
北極圏の小さな町、アフリカの島国マダガスカル、アマゾンの中心マナウス……。著者は、約20年前に、こうした土地で根付いている中華料理店とその周辺の人々に取材し、ドキュメンタリー映画を作成しました。その内容と、映像では伝えられなかったことをまとめたのがこの本です。
この本の最大の魅力は、訪れたそれぞれの店で提供される料理です。根付いた国の食文化や好みにあわせつつ、伝統的な味も守っている各店の名物料理が次々登場します。「アマゾンの麻婆豆腐」「ヒマラヤでアフタヌンティーを」という目次を読むだけで、どんな料理が紹介されるのかわくわくしてきます。
そして、料理が表のテーマだとすると、裏のテーマは中華料理店にまつわる家族の物語です。副題に、『5大陸15カ国「中国人ディアスポラ」たちの物語』とある通り、(「ディアスポラ」とは、飛び散るものという意味)故郷を離れ、遠い異国で生き抜いてきた、華人家族それぞれの物語が、料理とともに心をうちます。
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