「令和6年度当初予算」が令和6年3月定例会で議決されました。
江府町の令和6年度の行財政方針や当初予算はどのようなものになったのか̶。
今月号の特集で詳しく紹介していきます。
■行財政方針
◯はじめに
令和6年度当初予算案のご審議をお願いするにあたり、私の町政運営に対する考え方を申し述べ、議員各位並びに町民のみなさまのご理解、ご協力と、まちづくりにつきましてさらなる積極的なご参加を賜りたいと存じます。
新型コロナウイルスは5類になりましたが、不安定な国際情勢、地球温暖化による急激な気候変動とその影響による異常気象、物価高騰等により、町民のみなさまの生活は先行き不透明で不安なことも多いと承知しております。そして新年に発生した能登半島地震は、改めて防災対策について深く考えさせられるものでした。
さらに、先日厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所から公表された資料によると、2050年時点の江府町の推計人口は、全体で56%減の1,177人、0歳から14歳では71%減の54人と若年層を中心に人口が激減する一方で、75歳以上の後期高齢者の割合が41%に至る超高齢化地域になること明らかになりました。
現状維持のまま何もしなければ、人口減少、少子高齢化は加速度的に進行し、それに伴い地方交付税も減少し、町民のみなさまのために使える予算も減少する。さらに町の魅力や活力も減退するといった悪循環が予想されます。
平成28年8月に町長に就任以来、江府町が「安全、安心、健康に暮らせる町」「自己実現ができる町」「未来に夢が描ける町」となるように様々な施策に取り組んでまいりましたが、新庁舎整備、佐川地区の移住促進住宅や交流拠点施設整備等を始め、近年その成果が現れつつあります。
しかしながら、江府町ならではの戦略的な町政運営をさらに充実させなければ、この厳しい時代を乗り切ることは困難と考えます。
私は今までの取組みをさらに明確にし、江府町を「一人ひとりを大切にする町」「頑張る人を応援する町」「環境を大切にする町」としてブランド化したいと思います。その魅力を全国に発信することで、関係人口、定住人口の増加を目指します。それにより町に活力が生まれ、担い手の確保、新規投資の好循環が生まれ、江府町は持続可能な町となると信じています。
(令和6年3月5日江府町議会3月定例会にて白石町長説明)
■令和6年度の主要施策
令和6年度は3つの主要施策から成り立っています。それぞれの施策についてご説明いたします。
◯主要施策01 一人ひとりを大切にする町
子育て支援や教育環境の整備については、未来を担う子どもたちのために重点的に取り組みます。保育料の無償化、通学に係る交通費の支援、義務教育学校の給食の無償化、高校生がいる世帯までの光回線使用料の支援、いもこ塾、まなびや縁側、オンスタ学習塾等の学びの支援、奥大山江府学園のふるさと魅力発信科によるふるさと教育の充実による学びの支援も引き続き行います。
そして、「保育園らしくない保育園」整備構想の実現に向けて、町民のみなさまの参画も得ながら取り組みを進めてまいります。
また、町民のみなさまの命と健康を守る砦として、江尾診療所の体制が維持されるよう努めます。総合診療医の育成、確保についても、県の協力も要請しながら日野郡3町で連携して実現に努めます。
さらに、「出かける役場推進室」を総務課内に設置し、移動手段のない高齢者等をサポートする体制を強化します。また、役場職員のエンゲージメントの向上対策も継続し、すべての職員がミッション達成のために自律して動く組織とすることにより、無駄を省くとともにより良い住民サービスに努めます。
◯主要施策02 環境を大切にする町
江府町の魅力を全国に情報発信するためのキーワードとなるものが「環境」だと考えています。特に、「水」のふるさと奥大山SDGs宣言により、江府町の自然環境を大切にする姿勢が鮮明になりました。5月には環境教育の拠点として奥大山自然塾を開校し、全国から600人を超える人に体験していただきました。埼玉県議会の視察や鳥取県議会での一般質問で取り上げられる等、今後の展開に期待も膨らみます。本年度は奥大山自然文化協議会も設立し、鏡ヶ成でのバイオリンコンサートを開催したところです。県内の他団体とのネットワークも活かしながらさらに活動を展開していきます。町内での小水力発電の事業化やサントリーホールディングスとのペットボトルのBtoBの展開等も江府町の環境に対する姿勢を明確にするものです。
また、一昨年連携協定を締結したtenrai株式会社の活動は、せせらぎ公園の再生に始まり、プラネタリーヘルスの全国的な広がりの中に江府町を引き上げてもらえる可能性を秘めています。
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