監修:江府町立図書館館長 宇田川 恵理
こんにちは!江府町立図書館の宇田川です。江府町立図書館の本棚にある、ちょっと気になる「こんな本」を、紹介していきたいと思います!
■『化学の授業をはじめます。』
ボニー・ガルマス著(文藝春秋)
朝の連続テレビ小説「虎に翼」が話題ですが、この物語の主人公エリザベスも、女性が化学者であることを認めようとしない社会と戦いながら、自分の道を探し続けます。
舞台は1950年代から60年にかけてのアメリカです。女性であるというだけで、社会で活躍する道が閉ざされていた時代に、博士号を取得するため懸命に学んでいたエリザベスは、教授から性的暴行を受けたあげく、大学院を追われます。なんとか就職した研究所でも実力を正当に評価してもらえず、ソウルメイトともいうべき天才化学者と巡り合いますが、それも悲劇へと変わり…。苦難の連続の中、エリザベスは不本意ながら、テレビの料理番組の司会を務めることになります。
「料理は科学です」という言葉のとおり、周りの思惑を振り切って化学の専門用語を駆使し、社会通念の誤りについて語りながら料理する彼女に、女性たちは心を奪われていきます。ラストまで、まさに一気読みの1冊です!
◎宇田川館長
読み始めると止まらない1冊です‼
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