奥大山江府学園のように、複数の校舎を活用して1つの学校として教育活動を行う「施設分離型義務教育学校」。その利点を活かした実践等について、義務教育学校の設置を検討している市町村教育委員会や義務教育学校の職員が集まって協議をしたり、交流したりする集いを、江府町教育委員会が主催して、8月9日(金)に行いました。
この集いは、それぞれの市町村、学校において今後の教育実践につなげるとともに、今後の全国の市町村における小中学校の統廃合を見据えて、義務教育学校の在り方を考えていくことを目的としており、鳥取県内だけでなく、東は北海道、西は福岡県までの全国各地から約120名の参加をいただきました。
現在、施設分離型義務教育学校は全国的に見ても20校程度でとても少ない状況です。しかし、施設が分離しているからこそ、それぞれの校舎を、活動面・心理面で結びつけながら、1つの学校として進んでいく環境と校風を創出できることや、それぞれの校舎が程よい距離感を保ち、校舎ごとの独自性も生かしながら、教育効果を高めていくことができます。その将来性や可能性に期待している自治体も多く、今後の学校形態の在り方の有力な選択肢として考えられるようになってきました。
奥大山江府学園は今年度で3年目を迎えます。ここで、施設分離型義務教育学校における教育をより充実させるための取組を他の学校から学んだり、奥大山江府学園の教育について振り返ったり、他の学校や教育委員会同士の連携をしていくきっかけづくりをしたいと考えました。
鳥取県内のほとんどの義務教育学校の設立にかかわってこられた、鳥取大学の本名俊正名誉教授の講演、奥大山江府学園生徒会の江府町や学校の紹介、奥大山江府学園の景山敬文校長、鳥取市立鹿野学園の高藤淳子校長、京都市立東山泉小中学校の岩田智典校長による取組紹介を通して、施設分離型義務教育学校の大きな可能性をしっかりと確認することができました。
■〜参加者の感想から〜
・各学校の取り組みとして、課題、効果などを確認できた他、全国で同じような危機感や課題を持ち、対策を検討している動きを感じることができてとても良かったです。
・同じ課題に取り組んでいる仲間ができたことが一番の収穫でした。本市ではなかなか取り組みが進まない中で、今回先進的な事例に触れることができたことも大きな収穫です。またこのような会が開かれることを強く期待しています。
・この度の全国大会の開催、お疲れ様でした。小中学校の再編は少子化、建物の老朽化などもあり、全国各地で問題になる中、今回の大会は大変勉強になりました。
・分離型ということも含め、義務教育学校の実際を知ることができ、大変勉強になりました。分離型という距離感をうまく利用して、職員や児童生徒がより一体感を感じやすく工夫されているのも素敵だなと思いました。様々に仕掛けをしながら、時間をかけて大切に育ち、育てられていると思いました。
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