11月3日、市の文化・芸術の振興に功績のあった人をたたえる「鳥取市文化賞」の贈呈式が仁風閣で行われました。
受賞された3人を紹介します。
■鳥取市文化賞とは?
国の重要文化財に指定されている「仁風閣」の修復が昭和51年に完成したことを記念して創設されました。
令和4年度までに美術、音楽、文芸、学術、芸能など多岐にわたる分野から130人と6団体が受賞しています。
平成25年には、主な活動拠点が県外にあっても、文化芸術活動が全国的に高く評価されている人を対象とする特別功績賞、令和4年には、若手芸術家の発掘と育成を目的に、将来活躍が期待される人を対象とする奨励新人賞が設けられました。
■文化賞 入江 邦子(いりえ くにこ)(豊友(ほうゆう))さん [華道]
いけばな三大流派の一つである小原流に入門してから、長年の間、いけばなの教授活動を続け、多くの華道教授者を育成してきた。
ひたむきに華道を愛し、多くの役職を歴任しながら次世代にいけばな文化を継承するための活動に尽力し続けている。また、日本国内のみならず、海外においても日本の伝統文化である華道の魅力を発信し、国際親善に貢献するほか、後進の指導、地域の小学生への出前講座や中学生への指導など、次世代を担う子どもたちの育成にも尽力している。
花をはじめとする草木の生命力を鋭い感性で感じ取り、一つの命ある作品を創り上げる姿勢は、人のために尽くすことで人の役に立ち、人と人との関りを大切にしてきた人生の経験の積み重ねの中で培われたものであり、鳥取の華道界を牽引する華道指導者である。
■文化賞 齊藤 頼陽(さいとう よりあき)さん [演劇]
平成18年、鹿野町で活動を開始した鳥の劇場の創設メンバーとして参加し、鳥取に移住した。以来、俳優として、また副芸術監督として同劇場の活動に深く携わり、全国的にも高い評価を得る原動力となった。
その活動は、演劇の創作による地域の芸術振興のみならず、今では定着している「鳥の演劇祭」などによる地域振興、学校での表現ワークショップを通じた教育活動および人材育成、障がいのある人とない人がともに舞台に立つ「じゆう劇場」を通じた共生社会実現など幅広い。
そのほか、高校演劇の東部地区の審査員、ラジオ番組のパーソナリティ、演劇や演技を使ったさまざまなプログラムの創出などに取り組むことで、表現やコミュニケーション能力向上や芸術文化の発展に寄与している。
■文化賞 永見 信久(ながみ のぶひさ)さん [音楽]
愛知県立芸術大学大学院を卒業後、鳥取大学教育学部、島根大学教育学部教授を歴任し、多くの学生に対し、ヴァイオリン奏法や合奏などを指導してきた。
鳥取大学赴任時には、県内にオーケストラが無い状態からの立ち上げに携わり、さらに演奏されることがなかった「県民による第九」を合唱団と協力し成功させるなど、本市の音楽活動の普及に寄与している。
また、大学で教鞭を執る傍ら、長年にわたり鳥取ジュニアオーケストラの指導にあたっており、毎年定期演奏会を開いてきた。同団体ではこれまでに弦楽器奏者(ヴァイオリン、ビオラ)を多く輩出しており、若手奏者の育成や、音楽文化の向上に貢献している。
鳥取県のヴァイオリン演奏、弦楽アンサンブル指導の第1人者であり、本市における音楽分野での功績は大きい。
問合せ:本庁舎文化交流課(34番窓口)
【電話】0857-30-8021【FAX】0857-20-3040
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