■災害時にこそ人とのつながりが大切
[小谷]一昨年の台風第7号では、これまで経験したことがないような大雨に見舞われ、道路や橋、堤防などの被害により佐治町は一時的に孤立しました。路線バスも約1カ月半運休しましたが、その間、さじ未来号を運行し、小中学生の登下校や住民の移動に利用していただきました。
[市長]発災から1週間後にはさじ未来号を運行されたということで、大変すばらしいと思いました。大きな被害が発生した災害でしたが、人命に関わる被害はなく、佐治町のみなさんが、普段から地域のつながりを大切にしている結果ではないかと感じています。
[小谷]地域で運営する共助交通に取り組んでいたことで、このような状況になっても自分たちの事情に合わせて運行ができ、本当にあってよかったなと痛感しました。
[浅見]子ども連れで避難する場合、何を用意したらよいか分からない、避難所で子どもが泣き叫んだらどうしようといった悩みも伺いました。浅見さんまた、災害対応でお父さんが現場に出てしまうと、お母さんが1人で子どもを何人か連れて避難をするなどの対応をしないといけない。そういう不安な時に、ちょっと助けてほしいと言えるご近所との関係があることが、とても大切だなと実感しています。
[稲田]台風第7号の災害をきっかけに、佐治町に暮らす外国人がいることを知りました。また、防災イベントでは、災害時に外国人が避難する場合、どこに行けばいいのか、どこに連絡したらいいのかが分からず、本当に不安になるという声がありました。去年のTIA20周年記念イベントでは、防災に関する講演やクイズなどを行いましたし、必要最低限のものを持って避難できるよう、ペンライトや非常食などを入れた防災ボトルを外国人のみなさんと一緒に作りました。
[市長]災害の様相は年々激甚化、頻発化してきており、いつどんな形で発生するか分かりません。日頃からの備えと、ご家族や近隣の人と協力して避難したり支えあったりできる関係を、平素から築いていただくことがとても大切だと思います。
[佃]河原共助会では、日頃から常につながっておこうと、つながりサポーター研修を受けています。困りごとなどを抱えている人に対して、日頃から支援や目配り、気配りをしています。
[市長]つながりサポーターは、孤独・孤立状態にならないように、またそのような状態の人を早く見つけて関係機関につなげ、支援をするための取り組みです。本市としても、全国に先駆けて強化していきたいと思います。
■今年の目標・抱負
[浅見]子どもの発達の支援や子連れ防災の周知など、今の活動を充実させて、必要とする人にお届けできればと思っています。子育てして、成長して、年齢を重ねられて本当によかったと思える地域づくりのお手伝いが少しでもできたらと思います。
[佃]全ての小学校区に地域食堂を作ることを目標にしたいと思います。また、食堂という形にこだわらず、今日はしんどいな、何となく気分が乗らないなと思うときに、気軽に立ち寄れるような居場所づくりに取り組んでいきたいです。
[稲田]今年の目標は、オアシスを3カ月に1回ぐらいの頻度で開くことですが、TIAは「できる人ができるときに」をモットーとしているので、ゆったりと楽しく明るく前向きに取り組んでいきたいです。それが活動を長く続ける秘訣だと思っています。
[小谷]私たちの活動は、人口減少が進行しても、引き続き住み慣れた地域に住み続けていける取り組みを作っていくことです。住民のみなさんの信頼に応えられるような形で、一生懸命取り組んでいきたいと思っています。
[市長]本市には、つながりを大切にしながら支え合っていこうという思いの人がたくさんいらっしゃることを改めて実感しました。先行きが見通せないような時代ですが、お互いに尊重し合って、つながりを大切にすることで、今年はすばらしい年になると思います。我々もそのような年になるように、しっかりと努めて参ります。
※座談会の内容は要約しています
司会:田中 奏子(たなか かなこ)さん
■座談会の模様は、いなばぴょんぴょんネット(12ch)で放送します。
日時:
・1月1日(水・祝)、2日(木)…6:00〜、9:00〜、12:00〜ほか
・3日(金)、4日(土)…6:00〜、15:00〜
問合せ先:本庁舎広報室(33番窓口)
【電話】0857-30-8008
【FAX】0857-20-3040
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