文字サイズ
自治体の皆さまへ

薩摩藩英国留学生記念館開館10周年記念「れいめいの風」

14/24

鹿児島県いちき串木野市

■長沢鼎 Vol.2「港町アバディーンの中学生」
1865年(慶応元年)、渡英した薩摩スチューデント一行はロンドン大学に入学しますが、13歳の長沢は、スコットランド・アバディーンのグラマースクール「ジムネイジム中学校(中級階級以上の男子が通学する名門校)」に入学します。アバディーンは渡英の協力者、貿易商トーマス・グラバーの出身地で、長沢はグラバーの実家に寄宿し、2年間中学校に通うことになります。
薩摩では俊才として知られた少年でしたが、アバディーンでの生活は頼れる人はおらず、「アバディーンにきて、生活習慣、言葉もまったく分からず、しばしば泣いたことがある。たった一人であったから困った」と後に回想しています。
個別に英語の特別訓練を受け、4ヵ月程経った年の暮れには英語の理解もかなり進み、写真(本紙参照)のように地元紙に掲載された優秀成績者の中には、カナエ・ナガサワの名がいくつも見られます。
2年の課程を優秀な成績で終え、後1年で中学校を卒業して、上級学校に進学するつもりでいた長沢ですが、幕末の動乱で薩摩からの送金が途絶え、留学の継続が困難になります。多くの留学生が帰国する中、当時15歳の長沢を含む6名は、宗教家トマス・レイク・ハリスが主宰するニューヨーク州ブロクトンのキリスト教系新興宗教「新生兄弟社」に入り、農園で働きながら学び続けることを決意します。
薩摩藩英国留学生記念館スタッフ 南川 浩幸
参考文献:渡辺正清著『評伝 長沢鼎 カリフォルニア・ワインに生きた薩摩の士』

薩摩藩英国留学生記念館
【電話】35-1865

■~薩摩藩英国留学生記念館開館10周年記念~
「旅立ちの地」エッセイコンテスト
「旅立ち」とは、人生の岐路であり、その先に在る「未知なるもの」と出会う序章です。今から160年前、未来のために命をかけて英国留学を果たした若き薩摩スチューデントたち。彼らが出航した羽島の港は、記念すべき「旅立ち地」と言えます。これらを背景に、彼らに想いを馳せるとともに「一歩踏み出す勇気」を得ることができる「旅立ち」をテーマにしたエッセイコンテストを実施します。
テーマ:「旅立ち」
対象者:中学生以上
募集期間:6月1日(土)~8月31日(土)(締切日必着)
応募方法:本文のみで作文用紙1,600字4枚以内、一人1点。応募者の実際の見聞、経験に基づく自作で未発表かつノンフィクションの作品に限る。市ホームページに添付の応募票、または同様の内容((1)タイトル、(2)氏名フリガナ付き、(3)年代、(4)職業、(5)連絡先(住所・電話番号)を記入し、薩摩藩英国留学生記念館または、シティセールス課へ提出(郵送または持参)。
選考:大賞1名、準大賞4名、入賞5名
副賞:
・大賞 鹿児島東京往復航空券1枚(ソラシドエア)
・準大賞 市特産品詰合せ等
※大賞から入賞までの10作品をもとに、B6サイズの記念冊子(フリー)を制作します。
発表:10月下旬に入賞者へは直接通知、入賞者作品は本市及び薩摩藩英国留学生記念館のホームページ、広報いちき串木野で入賞作品と氏名及び所属を発表。
その他:11月2日(土)薩摩藩英国留学生記念館で開催される開館10周年記念セレモニー内で表彰式を実施。入賞作品の使用権は主催者に帰属する。

問合せ:
薩摩藩英国留学生記念館【電話】35-1865
シティセールス課【電話】33-5640

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU