■11 八女の瀬
虎居城跡の下にある川内川の急流は八女(はちじょ)の瀬といわれ、その名前はこの地で起きたある悲しい物語に由来します。かつて祁答院地方を治めていた祁答院渋谷氏の第9代当主徳重には、美しい娘がいました。ある日、娘が7人の侍女と虎居城下の川内川に小舟を浮かべて遊んでいたところ、娘は誤って川へ落ちてしまいました。侍女たちは、娘を助けようと次々と川へ飛び込みましたが、急流に流されて全員溺れ死んでしまいます。知らせを聞いた城内の者たちが必死に娘を捜しましたが、川の流れが複雑で見つけることができませんでした。数日後、娘の遺体は樋脇川と川内川の合流地点の近くで発見され、侍女たちと共に虎居城で弔われたといいます。
八女の瀬のマップは、本紙またはPDF版掲載の二次元コードよりご覧ください。
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