■10 楠木神社
宮之城屋地地区にある楠木神社は、南北朝時代の武将である楠木正成(まさしげ)を祀(まつ)った神社です。御神体は、水戸光圀(みつくに)が兵庫県の広厳寺(こうごんじ)に納めた3体の正成の木像の一つで、鹿児島へと渡ったのは幕末期。正成をあつく崇敬していた薩摩藩士の有馬新七が、広厳寺から木像を譲り受け、故郷伊集院の石谷で楠公社として祀ります。明治維新後、木像は伊集院地頭仮屋、鹿児島軍務局と移された後、西郷隆盛が創設した私学校で守り神として祀られました。西南戦争の直前、後に西郷軍に従軍する宮之城区長の辺見十郎太が、木像を戦火から守るために本町へ移して今に至ります。なお、光圀が納めた木像のうち、現存しているのは楠木神社にある1体のみです。
楠木神社のマップは、本紙またはPDF版掲載の二次元コードよりご覧ください。
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