■屋久津の供養碑
みなさんは屋久津海岸を見下ろす岩の上に建てられていた石碑をご存じですか。
この石碑には、
老若男女百三十四人
本因妙果
供養題目百三十万返
弘化二乙己六月二十一日
松涛庵住日誉敬白
と記されており、今から178年前の弘化2年(1845)に、当時の松涛庵の住職日誉が屋久津集落の人々の病気・災害・海難防止などの供養のために建てられた供養碑であることがわかります。
昔の人々は、このような天災地変は人間の心のゆるみやおごりに対する神仏のいましめであるとして神仏をおそれ、百三十万遍(一人一万遍)南無妙法蓮華経のお題目を唱えて供養碑を建て、神仏のいかりを鎮めたと考えられます。
先に述べたとおり、供養碑が建立されてから170年以上が経過し、その間地元の方々によって修繕や補強などを行ってきたと思いますが、供養碑の基礎部分が経年劣化により脆弱化していることから、このたび屋久津の石碑保存会(代表八汐廣行さん)が岩場南側の平坦地へ移転することとなり、令和5年9月11日に地鎮祭を実施、9月末には移転を完了しました。
新たな屋久津の供養碑は、休憩所を併設した大変素晴らしい環境となっています。保存会代表の八汐さんも地元の人だけでなく、多くの島民、観光客に足を運んでもらいたい。新たな観光スポットになるよう今後も少しずつ環境整備を進めていきたいと話していました。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>