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資料館だより(521号)

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鹿児島県中種子町

■増田の「下の丸」
県道七五号線の増田海岸近くに「下の丸」という名称のバス停があります。小字の「下の丸」からその名がついたと思われますが、小字の由来はどこにあるのでしょう。
「〇の丸」というと「城」に関係していることが多く、天守閣の場所を「本丸」、その周りに「北の丸」や「西の丸」、「二の丸」、更にその外側を「三の丸」、「西の丸下」といいますが、「下の丸」という記述はありません。
バス停から増田小の方向を見上げると、沸川に合流する小さな川に囲まれた小高い山があります。ここはその昔、山城「増田城」があったとされています。「増田城」跡の小字は「城の鼻」といい、昭和五十四年十月に日本城郭大系に掲載されました。「増田城」があったこの場所はマテバシイなどが生い茂る山林になっていますが、中に入ると今でも土塁などが残っています。その周辺には「山城」や「赤尾木田」、「馬場口」、「山頭」、など、城にちなんだ小字も数多く確認でき、ここに「増田城」があったことを強く印象付けます。
増田海岸近くに残る「下の丸」という小字は城や砦などの周囲に設けられた曲輪の名残りで、外濠を固める要衝だったと考えられます。
(町文化財保護審議会 深田 和幸)

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