別名:ウロコシダ(鱗羊歯)
中国名:観音座蓮
分布:伊豆諸島・伊豆半島・東海・紀伊半島や四国や九州の南部~琉球、台湾
生育地:多湿の腐植質に富む、照葉樹林の日陰や半日陰の林床
繁殖法:株分け、挿し芽(葉柄基部の鱗片)
和名のリュウビンは龍鱗(りゅうりん)の転訛で、鱗片状となっている葉柄基部(托葉状附属物)の様子を龍の鱗に例えたものですが、タイについては分かりません。この属は分類が困難な仲間とされ、世界では約100種とされ、国内には4種、種子島にはリュウビンタイ1種のみが自生しています。陰湿な山林の腐植質に富む林床に生育する大型の常緑のシダ植物です。適した環境では2m以上の高さになり、さながらジュラシックパークの一場面のような感じさえします。葉は長さ0.5~2mほどあり、2回羽状複葉(ネムノキのように、小葉がさらに羽状に、左右に分かれている葉)で、光沢があります。また、地際に塊状の根茎を形成します。種子島で、人の関与が少ない腐植質の多い森林には、まだ自生状態が見られます。
写真・資料提供:香月茂樹さん(元薬草試験場長)
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