◆町長 田渕川 寿広
新年あけましておめでとうございます。
皆さまにおかれましては輝かしい新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
昨年は、新型コロナウイルス感染症の分類が2類から5類へと引き下げられ、これにより5月8日以降は、日常の生活も徐々にではありますがコロナ禍以前のような生活に戻りつつあります。しかし、季節性インフルエンザの流行も危惧されます。引き続き町民の皆さまにおかれましては、可能な限りの感染防止対策にご留意いただきますよう切にお願い申し上げます。
また、昨年の町主催行事を振り返りますと、開催予定であった「よいらーいき祭り」「町民体育祭」は、悪天候に見舞われ開催できなかったことは大変残念なことでした。
しかし、「町民文化祭」「農林漁業祭」「駅伝競走大会」「相撲大会」は天候にも恵まれ町民皆さまのご協力の下、開催できましたことは、とてもありがたいことでした。
夏休み期間中の流水プールも4年ぶりに営業し、毎日たくさんの子どもたちで賑わいを見せていました。また、平成7年のオープン以来29年目の昨年、入場者30万人を達成しました。今後も島内外からの来場者に喜んでいただける施設にしていきたいと思います。
国際情勢に目を向けますと、ロシアのウクライナ侵攻に加え、イスラエル・パレスチナ情勢が混迷しております。日本周辺でも北朝鮮のミサイル発射など安全保障環境は厳しさを増しております。
世界情勢が不安定となる中、燃油や生産資材の高騰が本町の第1次産業に大きなダメージを与え、円安に伴う物価の高騰により生活に与える影響も大きくなっております。農業全般にわたり、国の支援事業や本町単独での生産補助金などで対応してまいりましたが、しばらく厳しい営農状況は続くものと思われます。
農業のみならず少子高齢化による人口減少、担い手不足は町内の各産業に直接影響が出ており、将来に向け厳しい状況を想定せざるを得ない状況かと思います。
農業のまち・中種子町において基幹作目であるさとうきびに関しては、昨年を少々下回る予想とはなっているものの、ある程度の反収も見込める状況でございます。しかしながら、さつまいもの基腐れ病は、澱粉原料用甘藷、青果用安納芋、焼酎原料用甘藷など一昨年よりは減少しつつあるようですが、作付け面積が大きく減少しているうえに、収量も厳しい結果となりました。また、子牛市場の競り価格は一年を通して安値で推移しました。
令和6年は本町基幹産業の農業振興を中心に、農林水産業の発展を目指していくために、各産業の皆さまと意見交換や情報共有に努めながら、課題点を洗い出し、実行可能で効果的な施策を講じてまいりたいと考えます。農業所得の向上にむけ、規模拡大とともに、農作業の省力化を進め、担い手や後継者が就農しやすい環境作りに努め、スマート農業などの研究を推進し、農業経営の基盤強化に向けた取り組みを進めていく必要があります。併せて、肥料・飼料・農業用資機材の高騰対策など国や県に強く要望を重ね、離島の第1次産業の振興が国の発展に繋がると言うことを、より一層強く訴えてまいります。
本町の第1次産業の振興、そして町内景気の回復に向け、商工業の振興、医療、福祉、教育の充実。スポーツ合宿やグリーンツーリズムなどによる交流人口の増大、移住、定住の促進など、関係機関と連携し、離島という不利な条件を少しでも克服できるよう努めてまいります。大きく様変わりしていくであろう社会経済活動を、町民皆さまのご意見を賜りながら、慎重に見極め行政運営を進めてまいります。引き続き皆さまのご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
また、航空自衛隊馬毛島基地(仮称)につきましては、昨年より本体工事に着手しており、現在旧空港跡地においても、港湾整備に必要なコンクリートブロック製作が行われております。民間事業者による仮設宿舎の建設も進められ、今後も仮設宿舎の建設が計画されているようですが、防衛省種子島連絡所と連携し、町民皆さまの生活に影響が及ぶことのないよう努めてまいりますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
結びに、令和6年が町民の皆さまにとって、健康で実り多き一年になりますよう祈念申し上げ、新年のあいさつとさせていただきます。
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