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資料館だより(527号)

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鹿児島県中種子町

■郷土芸能保存活動(2)
令和5年度には、竹屋野集落の「霧島神社」の大祭において、数年ぶりに「神楽」と「うから八兵衛」が奉納され、集落に活気が戻りました。また、納官神社では38年ぶりに平鍋集落に伝わる「やーとせー」が復活し奉納されました。
このように地域に住む人々の手によって、一つの郷土芸能を伝承することは、地域にとどまらず、人々の心の絆もより深く固いものにします。
郷土芸能の伝承活動は、文化を守るだけでなく、そこに暮らす人々の交流や、人々の心の支え、心のよりどころとなって、ぬくもりに満ちた社会を営んでいるようにも感じます。
昨年の町農林漁業祭では郷土芸能を観ることはできませんでしたが、多くの町民が、郷土芸能の披露を待ち望んでいたことでしょう。町行事での郷土芸能の披露は、郷土芸能を伝承するための良い機会であり、伝承活動の支援にもつながります。
郷土芸能の保存活動により、人々の心に「協同」や「交流」、「助け合いの心」などが育まれ、世代を超えて受け継がれて行くことはとても重要です。
少子高齢化や後継者不足などの問題で伝承が難しくなってきていますが、地域や人々のために、より多くの集落で郷土芸能が伝承されていくことを切に願います。
(町文化財保護審議会 濵脇 時則)

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