漢字表記:紫蘭
別名:ベニラン(紅蘭)
原産地:本州(福島以南)~九州、朝鮮南部・中国(中部~南部)・台湾
栽培適地:日当たりがよく、適湿の地
繁殖法:株分け
高さ30~60cmになる夏緑性のランの仲間で、春に葉鞘から花茎を伸ばし、先端部に3~5個の紅紫色の大型の花をつけます。地下部にはカタツムリの殻のような球茎が連なっています。花の美しさゆえ、自然界では頻繁に盗掘され、見る機会もない状況となっています。このため環境省では絶滅危惧植物の準危惧種に位置付けています。しかし、一方では適した環境下では、栽培の個体が野生化するという状況もあります。ランの仲間は気難しいものが多いのですが、シランは病虫害に強く、栽培も容易なため広く普及しています。園芸品種では、花色が白のもの、葉の斑入りもあります。漢方では熱を通して乾燥した球茎を白及(びゃっきゅう)と言い、止血・排膿・緩和などを目的に処方されています。
写真・資料提供:香月茂樹さん(元薬草試験場長)
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