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資料館だより(530号)

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鹿児島県中種子町

■清浄寺のお盆行事
法華宗本門流「清浄寺(増田向井町)」に伝わるお盆行事が昔のしきたりや習わしに従って行われている貴重なお盆行事として、令和6年3月に町指定文化財(無形民俗文化財)として新規指定されました。
清浄寺は第11代島主時氏公が第10代幡時公の位牌を安置するために創建した寺院であり、法華宗の住職によれば清浄寺で行われているお盆行事は寺院創建当時から行われていると考えられ、約5〇〇年以上もの間、檀家をあげて寺院護持のために尽力し、お盆行事も続けられていると思われます。清浄寺で行われるお盆行事は、お盆が近づくと境内に笹のついた竹を立て、題目の書かれた赤い布を垂らし、お盆で戻られてくる精霊様の目印とします。また、本堂右側の縁には水棚を設け、ご先祖様をお迎えすると同時にあらゆる生物の精霊、無縁仏を招待し、ねんごろに丁重に供養します。お盆が終わる(16日)には本堂で読経を唱えてから境内にある石塔前に移動して棚にマキ(米粉の団子)をお供えし、各家々からの供養物(洗米、シキビ、ショーハギなどを混ぜた水の子)を戸板に乗せ、増田海岸に向かいます。この時、先頭は魔を切る形で鎌を払い、海岸に着くと供養物をそっと海に流して精霊様をお見送りします。帰りは砂浜に関係者の足跡を残さないように箒で掃き、再び鎌で魔を切りながら清浄寺に帰って来ます。
今年の8月16日には町文化財に指定されて初めてのお盆を迎えます。
(町文化財保護審議会 深田 和幸)

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