■発達性ディスレクシアをご存じですか?(2)
前回は、読み書きに困っている子どもたちの相談が多いこと、そうした子どもたちが発達性のディスレクシアである可能性が高いことをお伝えしました。
今回は、発達性のディスレクシアを抱えている場合の困り感に関してさらにお伝えしていきたいと思います。
低学年であれば文字の習得に時間がかかるため音読や作文に苦戦しますが、学年が上がると、漢字学習や文章の読解に苦しんでいる子どもたちが多く見受けられます。音読そのものは学年が上がるにつれてある程度滑らかに行えるようになりますが、読みながら同時にその内容を解釈していくことが難しいためです。
こうした子どもたちは、普段のペーパーテストではなかなか点数がとれませんが、同じ内容であっても口頭で質問してみるとスラスラと正しく回答できます。発達性のディスレクシアを抱えている場合、ある程度流暢に音読ができるようになっても文字情報を正確に素早く解釈することが人一倍難しいのです。
こうしたことは本人の努力不足や育て方のせいではないので、発達性ディスレクシアを抱えている場合は、それに応じた適切な支援が必要とされます。
文字情報だけを与えるのではなく、併せて聴覚的な情報を保障していくことが有効とされています。視覚のみの情報を渡された場合、それは本人の公正な評価であるとは言えなくなってしまうでしょう。
こういった支援を必要とする発達性のディスレクシアであろう子どもたちが、認知されないままに見過ごされている現状があります。このような状況が本来学びの場である学校で続いた場合、本人がどんな心境になるのかは想像に難くないでしょう。早期発見・早期支援が叫ばれている由縁です。
お問い合わせ先:種子島地区基幹相談支援センター
【電話】28-3633
<この記事についてアンケートにご協力ください。>