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自治体の皆さまへ

明るく 豊かで 住みよい 郷土づくり

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鹿児島県中種子町

新年あけましておめでとうございます。
町民の皆さまにおかれましては、つつがなく新年をお迎えのことと心からお喜び申し上げます。
昨年、元日の能登半島地震は多くの犠牲者や被災者が発生する、未曾有の大規模災害となり、報道で流れるその悲惨な被災状況に、心の痛みを覚えました。その後復興に向け動き始めた住民に襲いかかった豪雨は、復旧を遅らせ、未だ日常生活に不便をされている方も多く、一日も早い復興を願うとともに、犠牲になられた方の御冥福をお祈り申しあげ、被災された皆さまに心からお見舞い申しあげる次第であります。
本町においては、昨年8月に襲来した台風10号は、近年まれに見る大きな勢力との情報で、家屋や農作物など大きな被害が心配され、牛舎などの倒壊や損傷でご苦労された方もいらっしゃいましたが、被害は最小限にとどまり、各種農作物の生育も順調で、さとうきびに関しては、昨年並の予想とはなっているものの、ある程度の反収も見込める状況でございます。しかしながら、さつまいもの基腐れ病は、澱粉原料用甘藷、青果用安納芋、焼酎原料用甘藷など、まだまだ被害が発生しており、作付面積も減少し、総収量の減となっているところです。
そして、一昨年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻、イスラエル・パレスチナ紛争、また、長く続く外国為替市場の円安傾向などの影響により、昨年に続き輸入に頼る穀物や石油、飼料や肥料など町民の皆さまに直接影響を及ぼす状況が長引き、農業を含む各産業、そして日常生活でも先行きが不透明な状況が続いており、物価高騰は本町においても影響が出ています。
そのような中、昨年は、町主催の行事や各種イベント、特によいらーいき祭りや町民体育祭、農林漁業祭、文化祭そして駅伝競走大会と、天候の移り変わりに気をもみながらも、無事開催することが出来ました。また、子どもたちが楽しみにしていた流水プールの営業も無事故で終えることができました。新型コロナウイルス感染症や天候の影響で開催できなかった各種行事など、町民の皆さまのご理解・ご協力のおかげをもちまして、盛大に開催できましたことに、心より感謝申しあげます。
さて、令和7年も引き続き本町基幹産業の農業分野においては、農業所得向上を目指し、規模拡大とともに、後継者や担い手の育成、持続可能な農業経営の基盤強化に向けた取り組み、そして肥料・飼料・農業用資機材の高騰対策など、本町のような離島での農業の生産性向上に向けた支援策を、国や県に対し、これまで以上に強く要望を続けて参ります。特に農業分野においては、輸入に頼らない、そして自給率を高める国の方針のもと、農業に対する考え方も大きく変わろうとしています。関係機関と連携し調査研究に努め、離島の農業の効率化を含む所得向上に向けた支援策の充実を、国や県に対して、より一層強く要望していかなくてはなりません。
また、農業分野のみならず、高齢者福祉や子育て支援、生活に直接影響を及ぼす物価高騰対策なども含め、生活の安定を守る支援の要望を続けて参ります。
国内外の様々な出来事を要因とする大きな損失が否めない国内状況の中、本町においてもそれぞれの産業分野での景気回復に向け、農林水産業、商工業の振興、医療、福祉、教育の充実、そして、観光や交流人口の増大、移住・定住促進など、各種産業界とも連携し、離島、過疎地域という不利な条件を克服すべく町民の皆さまのご意見を賜りながら、大きく変化するであろう社会経済活動を慎重に見極め、行政運営を進めて参ります。引き続き皆さまのご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、令和7年が町民の皆さまにとって、健康で実り多き一年になりますよう祈念申し上げ、新年のあいさつとさせていただきます。

町長 田渕川 寿広

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